<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン9-6ベネズエラ>◇22日◇東京ドーム
侍ジャパン牧秀悟内野手(26)が史上3人目のグランドスラムで決着を着けた。「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」スーパーラウンド第2戦ベネズエラ戦。同点の6回、今大会1号となる満塁本塁打を放った。4番打者の実力がありながら、6番に入って打線を後方支援する“裏4番長”が存在感を示し通算8打点。同ラウンド2連勝で決勝進出に大きく前進した。日本は国際試合25連勝を収め、23日に台湾との第3戦に臨む。
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牧のバットをイケイケムードが後押しした。2点を追う6回、坂倉のソロ弾と押し出し四球で同点に追い付き、なおも満塁の絶好機。元4番にして、6番牧が打席に入った。初球見逃してボール。2球目の外角スライダーに泳がされながらも手首を返して左翼スタンドへ運んだ。一気に突き放す起死回生のグランドスラム。お決まりの「デスターシャ」パフォーマンスも侍では今大会初披露。いつもと反対の一塁側ベンチでも健在だった。
脅威の“隠れ4番”として存在感を示した。初戦のオーストラリア戦で適時打、台湾へ移動した初戦韓国戦でも逆転2点適時打を放っていた。井端監督は「牧選手は非常にいいキャラクターをしている。チームのために盛り上げてくれている1人。本来は4番を打てる選手」と、4番候補にしながらも大会は6番に置いたことで、チャンスで打席を迎える場面が増えた。
日本シリーズで日本一まで走り抜けて侍に合流した牧は、疲労感も見せずに気を吐いた。「いや全然、野球やれることはすごく幸せ。このメンバーでまた野球できるっていうのはなかなかない機会なので、最後まで頑張っていきたい」と意気に感じて臨んでいた牧。ベンチでは中大の同級生・五十幡とはしゃぎ続けた。牧が打つことで、ベンチの雰囲気も一気に変わった。
今大会のメンバーでは23年WBCを知る数少ない選手の1人。「経験はしてるので、伝えられることは伝えたい。プレーでも言葉でも、しっかり結果を出せるように戦っていけたら」。その言葉通り、気持ちを打球に乗せてかっ飛ばした。
▼牧が6回に勝ち越しの満塁本塁打。プロが参加した野球の主要国際3大会(五輪、WBC、プレミア12)での満塁本塁打は、13年WBCのオランダ戦で坂本勇人、15年プレミア12の米国戦で松田宣浩が放ったのに次いで3人目。