広島中村奨成外野手(25)がこだわりを捨て、自己改革に取り組む。入団時からスピードにもこだわり、筋力強化や体重増には積極的ではなかった。だが、7年目の今季は自己最多70打席に立ちながら打率1割4分5厘。3年連続打率1割台、本塁打ゼロでシーズンを終えた。「1軍の投手に力負けしないためには体の大きさも必要。スイングスピードも上がると思うし、強さが出てくると思う」。停滞感を打ち破るため、こだわりは捨てた。ウエートトレーニングと食事管理を徹底し、体重85キロから人生初の大台超えの91キロを目指す。
スイング量ばかりが注目される今年の広島秋季キャンプだが、ウエートトレーニングの量も増している。3年ぶりの秋季キャンプ参加となる中村奨にとっても、充実の日々となっている。技術的にも打撃フォームを改造。これまで高く構えていたグリップの位置を下げ、無駄のないシンプルなフォームを求めている。「小さい変化の球種が増えている中で、無駄が多かったら打てないことは今年身をもって経験した。無駄を省いてパワーがあれば、その分力を伝えられると思う」。反動を使わずに最小限の動きの中で最大減の力を伝えるためにも筋力アップは欠かせない。
10月25日の契約交渉では、鈴木球団本部長から「お前のポテンシャルにもう1年かけてみる」と言葉をもらい、契約を更改した。不退転の覚悟で臨む来季へ、一回りも二回りも大きくならなければいけない。