<W杯アジア最終予選:インドネシア-日本>◇15日◇C組◇第5戦◇ジャカルタ
【ジャカルタ=永田淳】FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会切符を目指す日本代表(FIFAランキング15位)が、欧州からの帰化選手で固めたインドネシア代表(同130位)を4-0と一蹴した。
前半にオウンゴールで先制し、MF南野拓実が加点した。後半にもMF守田英正、DF菅原由勢が追加点を挙げ、守ってはGK鈴木彩艶が1試合を通じて堅守を披露した。4勝1分けで勝ち点を13に伸ばし、2位以下に早くも勝ち点7差を付け、独走態勢をさらに固めた。インドネシアは3分け2敗で最下位6位に後退した。
森保ジャパンがアウェーで難敵を退けた。先発布陣は3-4-2-1。守護神・鈴木に橋岡大輝を右、中央に板倉滉、左に町田浩樹の3バック。遠藤航と守田英正がボランチ、ウイングバックの右に堂安律、三笘薫。2シャドーは右に南野拓実、左に鎌田大地、1トップは小川航基という並びになった。
インドネシアは同国にルーツを持つオランダ系の選手などを次々と帰化させ、今回招集メンバー27人中14人を数えた。先発メンバーにも10人が並んだ。
鋭いカウンターを武器にする相手に、土砂降りの雨も敵となった。前半9分、相手ロングボールが雨で濡れたピッチで伸び、対応に入った板倉がクリアできず。FWオラトマングンに入れ替わられる形で1対1に持ちこまれた。しかしGK鈴木が絶妙の間合いで詰めてブロック。ゴールを許さなかった。
さらに同14分、同15分と立て続けにサイドからゴール前へ鋭いグラウンダーのクロスボールを入れられ、インドネシアの攻勢を受けた。
日本も前半18分、右の堂安からのクロスボール。相手DFに厳しく密着されながら小川が頭で狙ったが、うまく合わずゴール左に外れた。同24分にはゴール前中央でパスを受けた堂安がももでのリフティングからボレーシュートを狙ったがGKパエスの正面でキャッチされた。
苦戦を強いられた日本だったが、前半35分に先取点を奪った。遠藤が左へと展開し、受けた町田が中央へパスを送ると、守田がターンしながらワンタッチで前方へ。左ポケットで受けた鎌田は縦に持ちこみ、中央へ折り返したところに小川が詰めた。ただ小川が左足で合わせたかのように見えたが、相手DFの足に当たっていた。公式発表でオウンゴールに変更された。
さらに前半40分、鎌田のスルーパスを受けた左サイドの三笘が中央へ右足アウトサイドでパス。走り込んだ南野が左足ダイレクトで蹴り込んだ。前半のうちに追加点が生まれた。
後半開始から南野に代えて前田大然を投入。三笘がシャドーに上がり、前田が左ウイングバックに入った。
後半開始早々、相手ミスから加点した。4分、インドネシアGKパエスがキックミス。ペナルティーエリア近くで拾った守田が相手をかわして冷静に右足シュートを打つと、ゴール左隅に決まった。3-0とリードを広げた。
後半17分、堂安に代わって菅原、三笘に代わって伊東純也が入った。
インドネシアはロングスローから好機を探るが、GK鈴木が抜群の安定感を見せ、付け入るスキを与えなかった。無失点を継続する中で日本にまた追加点が生まれた。
後半24分には菅原が伊東とのワンツーからゴール前まで持ちこみ、ゴールライン際から右足で強烈なシュートをゴール左隅へたたき込んだ。4点目。アウェーで一方的な展開となった。
後半34分には小川に代わって大橋祐紀が、鎌田に代わって旗手怜央がイン。同38分には縦パスから大橋が抜け出しシュートを放ったが、ここはオフサイドだった。
これまで出番に恵まれなかった選手もプレー機会を得たことで、チームのムードも高まる勝利となった。