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【ソフトバンク】球界NO.1捕手・甲斐拓也FA「1度きりの権利 このタイミングだけ」巨人など争奪戦


ソフトバンクの甲斐拓也捕手が、国内フリーエージェント(FA)権行使を決定した。シーズン終了後、熟考の末に「大きな決断」として宣言。FAは野球人生で一度きりの権利とし、最良のタイミングで行使することを決意した。プロ14年目にして32歳の甲斐は「甲斐キャノン」として知られる優れた守備力を誇る。今シーズン、甲斐は119試合で打率.256、5本塁打、43打点を記録し、2年ぶりにゴールデングラブ賞を受賞した。巨人など他球団による獲得争いが予想され、ソフトバンクも4年10億円の条件で引き留めを図っている。

球団事務所を訪れ、取材に応じる甲斐(撮影・鬼束羽瑠菜)

ソフトバンク甲斐拓也捕手(32)が13日、福岡市内の球団事務所を訪れ、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権行使の申請書類を球団に提出した。

日本シリーズ終了から約1週間、権利行使へ熟考を重ねたが「(FA権は)1度きりの権利と思っている。自分の大きな決断になる」と宣言を決めた。ホークス残留か、獲得に興味を示す巨人など他球団移籍か-。球界NO・1捕手の動向が注目される。

   ◇   ◇   ◇

甲斐は、濃紺のジャケット姿で球団事務所を訪れた。約30分ほどの関係者との会談を終えると、引き締まった表情で口を開いた。

「FAを行使するという話をさせていただいた。(FAは)1度きりの権利だと思っている。この権利は自分の野球人生においても、このタイミングだけだなと思っていた。自分の大きな決断になると思う」

日本シリーズ終了から約10日間。40度の高熱にうなされ数日間寝込んだが、自らの人生設計を熟考して宣言に踏み切った。

プロ14年目。今月5日で32歳になった。「甲斐キャノン」と呼ばれる強肩と鉄壁のブロッキングは、12球団NO・1と言われる。10年の育成ドラフト6位で楊志館(大分)から入団。13年に支配下登録されると、17年からは正捕手の座をしっかりとつかんだ。入団当初は打撃ケージの外に打球が飛ばず苦しんだ時期もあったが、レギュラーに定着後は8年連続で本塁打を放ち、2ケタ本塁打も4度記録。今季、4年ぶりにリーグを制したチームで、甲斐は119試合に出場し打率2割5分6厘、5本塁打、43打点をマークした。自慢の守りでも2年ぶり7度目のゴールデングラブ賞も手にするなど「扇の要」としての評価は高い。

球界を代表する捕手だけに、FA権行使で争奪戦になる可能性は大だ。巨人も興味を示し獲得調査を進めているという。ホークスもすでに4年10億円プラス出来高(金額は推定)の好条件を提示。「ホークスも今までやってきたことについて評価していただいて、(条件の)提案をしていただいている」と明かしつつ「(獲得への興味がある)球団があれば、自分の評価を聞いてみたいですし、一番は自分を必要としてくれる球団であったり、捕手としての自分の必要性を聞いてみたい」と、移籍もしっかり視野に入れた。

同じく育成出身の石川もFA権行使を宣言。チームから2人以上の宣言選手が出るのはメジャーに挑戦した和田、川崎、巨人に移籍した杉内の11年オフ以来13年ぶり。ダブル流出となれば、ホークスは日本シリーズ敗退に加え、激動のオフを迎えることになりそうだ。

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