1段1段、駆け上がれ! 楽天秋季キャンプ9日目。選手たちは、楽天モバイルパーク、森林どりスタジアム泉と、それぞれの球場で練習を終えると、仙台市内の274段の石段がある場所に移動。三木肇監督(47)が見守る中、階段ダッシュを2セット行い、第2クールを締めくくった。
全力ダッシュで心身を鍛える。一番乗りしていた前田銀治外野手(20)は「すごいですよね…」と、長く長く続く階段に圧倒された様子だった。各球場で練習を終えた選手たちが到着し、一斉にスタートをきった。三木監督の「頑張れ、休むなー」のげきが飛ぶ中、1段1段、俊敏ながらも力強く頂上目指して息を切らしながら駆け上がった。2セットを終え、中には倒れ込み「きついっす」と空を仰ぐ選手も。グラウンドを離れても汗を流した。
今キャンプのテーマは「鍛錬」。走り込み、投げ込み、振り込んできた。第2クールの締めは、場所を変え階段ダッシュ。発案は三木監督だった。
「ちょっとアクセントじゃないけど、仙台でこういう場所もあって少し場所変えてやってみようかなとやってみました」
強度を上げたメニューは、シーズン前やシーズン中だと、けがのリスクがある。この時期だからこそ、振り切れる。走り込みに特化したのは「スポーツの原点として、下半身の粘りとか強さが必要」と身体面の成長に期待した。「しんどいだろうけど、今後の自分の一助というか、勲章にもつながったら」と精神面にも期待を込めた。自身もヤクルトでの現役時代、階段ダッシュで鍛えたことが実を結んだという。
「最後はファンの皆さんの前で、いろいろ背負った中でのワンプレーをやり通せる強い心も同時に鍛えられたなと思う」と、この日も全力でやりきった選手たちをねぎらった。来季に向け、まずは14日までのキャンプをやり込む。【高橋香奈】