オランダの首都アムステルダムで7日夜から8日にかけ、イスラエルのサッカーチームが参加した試合の後、応援に訪れていたイスラエル人のサッカーファンを狙ったとみられる暴動が起き、少なくとも5人が負傷した。地元警察は、暴動に関与したとして62人を逮捕した。
地元警察やAP通信などによると、暴動は欧州サッカー連盟(UEFA)欧州リーグのマカビ・テルアビブ(イスラエル)とアヤックス・アムステルダム(オランダ)の試合後、市内の複数の場所で発生した。暴動の参加者の詳細や原因は明らかになっていない。
スタジアム周辺では試合前からデモが禁じられていたが、一部のファンが花火を打ち上げたり、道路脇のパレスチナの旗を引き裂いたりしたとも報じられている。イスラエルのネタニヤフ首相は暴動を非難し、自国民を救出するため航空機2機をオランダへ派遣した。
欧州や中東などでは、昨年10月にパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まってから、イスラエル人に対する暴力事件が相次いでいる。ネタニヤフ氏は8日、オランダのスホーフ首相と電話協議し、「反ユダヤ主義的な攻撃を重く受け止めている」と伝え、治安対策の強化を要請。スホーフ氏は実行犯を訴追することを約束した。
サッカーの試合は5―0でアヤックスが勝利した。【カイロ金子淳】