虎投に自信あり! 阪神藤川球児監督(44)が高知秋季キャンプ第2クール2日目の8日、ハイレベルなタイガース投手陣に確固たる自信をのぞかせた。この日、ソフトバンク石川柊太投手(32)が国内FA権の行使を表明したが、指揮官は今オフの人気銘柄となりそうな実力派右腕の獲得に興味を示さず。「自分たちの戦力に自信を持っているので」と強調し、あくまで逸材ぞろいの現有戦力をベースに勝負をかける。
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藤川監督は穏やかな笑みを浮かべたまま、言葉を濁すことなく否定した。ソフトバンク石川がこの日、国内FA権の行使を表明した。阪神球団としてのアプローチは? 報道陣から質問が飛ぶと、爽やかに方向性を示した。
「ないんじゃないですか? うちはまあ、どうでしょう。はっきり僕の頭の中には入っていないですけど、今のところは」
32歳右腕は今季、先発を中心に15試合登板で7勝2敗、防御率2・56。起用法を問わない熱投で4年ぶりのパ・リーグ優勝に貢献した。今季推定年俸は1億2000万円。人的、金銭ともに補償不要のCランクとみられ、今オフFA市場の人気銘柄となりそうな気配も漂う。それでも虎の指揮官は興味を示さない。理由は単純明快だ。
「自分たちのチームに素晴らしい選手たちがいるので。自分のチームに今、いい投手たちがたくさんいるなというのが実感としてあります」
元レジェンドリリーバーの目から見ても、阪神投手陣の現有戦力はレベルが高い。先発陣は「プレミア12」で侍ジャパンの主戦格と目される才木を筆頭に分厚い層を誇る。救援陣も岩崎、ゲラを中心に桐敷、石井ら若手が続々と台頭している。18年に13勝、20年に11勝を記録した石川の力を欲する必要がない陣容、というわけだ。
「ドラフトでも取っていますけど、自分たちの戦力に僕自身が十分に自信を持っているので。何回も言いますけど、今いるうちの選手に対する自信はありますから。そういう意味で、補強うんぬんというよりは自分たちの戦力に自信があるというところですよね」
もちろん、今オフの補強期間はまだ始まったばかり。今後、新外国人投手の獲得に動く可能性は十分ある。ただ、あくまでベースは今せっせと牙を研ぐ現有投手陣。新指揮官の信頼は揺るぎない。【佐井陽介】