米司法省は8日、イラン革命防衛隊が、大統領選の投開票日(5日)前に共和党のトランプ次期大統領を暗殺するようアフガニスタン人工作員に指示していたと発表した。
暗殺計画は、イラン出身で反体制派の在米女性作家の殺害を計画した容疑などで、この日訴追されたアフガニスタン人工作員のファルハド・シャケリ容疑者(51)の供述で判明した。
シャケリ容疑者は訴追前、電話で米連邦捜査局(FBI)の任意聴取に応じ、9月に革命防衛隊の関係者からトランプ氏の監視と暗殺を命じられたと説明。10月7日に、具体的な計画を1週間以内に練るよう指示されたと述べた。
もし実行が間に合わなければ、革命防衛隊は計画を大統領選後まで延期するつもりだったとしている。この革命防衛隊関係者は、トランプ氏が大統領選で敗北すれば、暗殺が容易になるとの見方も示していたという。
シャケリ容疑者は逃亡中で、イランに滞在しているとみられる。司法省はシャケリ容疑者とともに女性作家の殺害を企てた容疑などで他に2人を訴追した。
トランプ氏は第1次政権時代にイランに強硬な姿勢を取り、米軍は2020年に革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」を率いたソレイマニ司令官を殺害した。イランはその報復を狙っている。【ニューヨーク中村聡也】