阪神佐藤輝明内野手(25)が柵越え連発でパワーアップした姿を披露した。高知・安芸キャンプのランチタイム特打。右へ左へ、広角にアーチを描き、52スイング中9本をフェンスオーバーさせた。そのうちの1本は右翼後方のネットを越える場外弾。「自分で考えながら練習できている」と手応えを明かした。
小谷野塾の効果はこの男にもてきめんだ。キャンプ第1クールに新任の小谷野打撃チーフコーチが号令をかけ、「全体的な最大出力アップ」を参加野手全体のテーマに鍛錬。前日4日は前川が推定130メートルの場外弾をかっ飛ばしたが、背番号8も明らかに破壊力が増している。投手出身の藤川球児監督(44)も「投手サイドから見て『投げづらいな』と思うポイントで打てている。その中で打球速度が出ているということは、やっていることと一致している」と目を細めた。
佐藤輝も胸を張った。「スイングスピード、打球速度はもともと持ち味なので。(打球速度は)170キロを常に超えるように練習では意識しています」。NPBで打球速度が170キロを超えるとトップクラス。自慢の出力に元打点王小谷野コーチの教えを掛け合わせ、最高出力での新打法を来季の武器にする意気込みだ。 本塁打は横浜スタジアムで場外弾も放った1年目の24本から20本、24本ときて今季は最少の16本にとどまった。「まだまだ練習の中だけなのでこれからですね」。本腰を入れ、必ずモノにする。藤川監督の期待も大きい5年目へ、実りの安芸にする。【山崎健太】