西武から戦力外通告を受けた鈴木将平外野手(26)が4日、14日の12球団合同トライアウト(ZOZOマリン)に参加することを明かした。
「1年間戦いきれなかったシーズンで野球人生が終わるのは受け入れられない」と現役続行を希望。トライアウトでは「打撃で結果を残せるのが全てですけど、1試合全力プレーをとりあえず見てもらえれば」と来る日に備えて球団施設で調整に励んでいる。
静岡高から16年ドラフト4位で入団。19年から毎年1軍での出場を続け、昨季は自己最多の72試合に出場した。8年目の今季はシーズン前に左肘関節鏡視下クリーニング手術を受けた影響で出遅れ、復帰後もなかなか1軍に定着できず33試合で打率1割9分1厘にとどまった。「手術をして出遅れて結果を出さなきゃいけないところで、なかなかついてこなかった」と苦しんだ。
シーズン終了後の秋季練習にはフル参加。宮崎・南郷で行われる秋季キャンプに向けて荷造りを終えた夜、球団から電話を受けた。「電話は『明日、球団の方に来てください』という内容でした。これだけプロで長くやっていると、どういったことかは察する。自分の番が来ちゃったか」と、予期していた通り戦力外通告を受けた。
悔しさ、もどかしさ、やりきれなさ。さまざまな感情が芽生えた。球団を通じて出したコメントには「同期の今井とお立ち台にあがるという夢が達成できなかったことは心残りです」と記した。
高校日本代表の一員として日の丸を背負って共に戦い、入団前から知る同期。今季187奪三振を挙げて奪三振王に輝いた今井を「気づいたら背中を追う存在になっていて、横に立てたかなと思ったときにもまだ前にいて」とずっと追いかけてきたからこそ、その存在は励みでもあり「今井の試合で活躍したいという思いはいつもありました」。偽りのない本音を包み隠さなかった。
入団からこれまでの8年を振り返り、鈴木は「良いときもあれば、うまくいかないときもありました。つかんだチャンスを取りきれなかったところが僕の中ではもどかしかくて、悔いが残っています。どこかのチームで、それを取り返す機会をうかがってやっていくだけです」。26歳。ここで燃え尽きるつもりはない。