<プロ野球ドラフト会議>◇24日
プロ野球ドラフト会議が24日、都内で行われ、静岡県内では、6選手が歓喜の時を迎えた。社会人ヤマハの宮崎竜成内野手(23)が、ロッテから2位指名。東海大静岡の宮原駿介投手(4年)は、巨人から5位で指名を受けた。知徳の小船翼投手(3年)は広島育成1位、静岡大の安竹俊喜捕手(4年)は同3位、浜松商の曽布川ザイレン内野手(3年)はソフトバンク育成2位、くふうハヤテの早川太貴投手(24)は阪神育成3位で吉報が届いた。
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東海大静岡の宮原が、夢をかなえた。午後6時半過ぎ。巨人5位指名で名前が呼ばれた。手塚慎太郎監督(49)らと一緒に中継を見守った別室から、会見場へ移動。チームメートたちも見守る中、安堵(あんど)の表情で喜びをかみしめた。
「本当に、早く指名をしてほしいとずっと願っていた。かなりホッとしています。周りの人たちも喜んでくれてよかった」
同大学からのプロ入りは、2020年に巨人から育成12位で指名された加藤廉内野手以来、3人目。投手の支配下指名は、静岡学生野球リーグ全体としても初の快挙となった。
感謝がこみ上げた。神奈川・小田原市出身。静岡学園高の3年間は寮で過ごしたが、大学では静岡にある母方の実家で暮らした。祖母の小長谷富美子さん(79)が「食」をサポート。試合前、体作りに必要なメニューの細かい要望にも応えてくれた。「本当に助けてもらった。良い報告ができます」と笑みがこぼれた。
成長に貪欲で、3年春からは本格的に外部トレーナーにも助言を求めた。月に1度のペースで東京へ。大学生にとっては、決して安くはない出費だった。それでも「プロに行くためには必要なこと」。入学当初130キロ台だった最速は、153キロまで伸びた。“先行投資”も実を結んだ。
高校時代は甲子園とは無縁だった。独自大会となった3年夏も登板機会はなく、初戦で敗れた。無名から大学4年間で成長を遂げ、道を切り開いた。「プロに入ってからが大事。変わらず、しっかり準備をしていきたい。(巨人は)伝統あるチーム。それに恥じない投手になりたい」と、最後は表情を引き締めた。まだ道半ば。勝負は、ここからだ。【前田和哉】
◆宮原駿介(みやはら・しゅんすけ)2002年(平14)9月12日生まれ、神奈川・小田原市出身。小1からソフトボールに励み、中学から小田原ボーイズで本格的に野球を始める。静岡学園高から東海大静岡。左投げ左打ち。家族は両親と兄、妹、弟。174センチ、86キロ。血液型B。