ドジャースが「スターウォーズ・エピソード2」へ向けてスタートする。4年ぶり8度目の制覇を果たしたワールドシリーズが終了し、10月31日(日本時間11月1日)からフリーエージェント(FA)期間が開始。目玉選手、ヤンキースのフアン・ソト外野手(26)ら136人が名を連ねた。ニューヨーク・ポスト紙は、ソトへの接触球団が11球団と報道。大谷翔平投手(30)が在籍するドジャースも有力候補とみられる。大谷の年俸後払いが、獲得の後押しとなりそうだ。
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大谷、ジャッジらスーパースターが両軍に多数在籍し「スターウォーズ」と称された「ドジャース-ヤンキース」のワールドシリーズから一夜明け、さっそく来年に向けての戦い「エピソード2」が始まった。ニューヨーク・ポスト紙のヘイマン記者は「ヤンキースが第5戦で敗れた2時間後までに8球団が興味を示し、木曜の朝までにその数は11まで増えた」と伝えた。11球団の中に、西の雄ドジャースと東の帝国ヤンキースが入っているのは明白だ。
両球団ともに巨大都市に本拠地を置き、今季の年俸総額はヤ軍が2位、ド軍が3位と、財政的な規模は問題ない(1位はメッツ)。ドジャースは昨年、大谷とスポーツ史上最高の10年7億ドル(当時のレートで1015億円)で契約を結んだが、そのうち97%を11年目以降の後払いとした。このため、財政的な自由度は高い。大谷が最重要視した点は「ワールドシリーズ優勝」にあり、自分以外の補強費用捻出が後払いを提案した理由だ。
ソトは26歳と若く、ヤンキースに移籍した今季も打率2割8分8厘、41本塁打、109打点と抜群の成績を残した。選球眼と長打力に優れ、メジャーで重視されるOPS(出塁率+長打率)は通算で・953。40代までの14年の長期で、大谷に次いで2人目の総額7億ドルの契約も予想されている。同紙はソトの親しい友人が「ヤンキース、メッツ、またはドジャース」と移籍先を予想していると伝えた。
ド軍は大谷の入団後、日本企業を中心にスポンサー契約が相次いだ。優勝争いで連日の満員が続き、ポストシーズンでも最後まで戦った。今季は大谷が30球団最高のユニホーム売り上げを記録しており、好収支が予想される。大谷が入団を決めた後は、山本も続き、ロッテ佐々木がポスティングされた場合には、獲得の筆頭候補とも目されている。財政面でも戦力面でも優位に立って、初のワールドシリーズ連覇に挑む。
◆フアン・ソト 1998年10月25日、ドミニカ共和国生まれ。15年ナショナルズと契約。18年、19歳でメジャー昇格し、22本塁打。19年には34本塁打、110打点でワールドシリーズ優勝に貢献。20年首位打者。22年途中にトレードでパドレスへ、24年ヤンキース移籍。188センチ、101キロ。左投げ左打ち。見逃した際に大股開きで投手を見ながら打席を足でならす「ソト・シャッフル」が有名。