巨人が今秋のドラフト1位指名候補として関大・金丸夢斗投手（4年）を最上位にリストアップしていることが10日、分かった。3月には侍ジャパンのトップチームに選出され、欧州代表戦に先発登板。最速154キロの直球にスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリットと多彩な変化球を操り、奪三振能力が高い。大学球界NO・1左腕に照準を定めた。
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巨人が“侍左腕”にロックオンした。24日のドラフト会議での1位指名候補として関大・金丸を最上位に設定した。この日、東京ドームで水野スカウト部長らスカウト陣と阿部監督がミーティングを行った。水野スカウト部長は「決まんないけど全部見てもらって、こういう選手がいて我々の考えはこうですよと。現場のこういう補強がいいとかを聞いて、それをすり合わせていって会議に向けてって感じ」と明言は避けた。阿部監督も同様だった。
関係者の話を総合すると金丸への評価は最上級に位置づけされており、1位指名は既定路線とみられる。金丸は高校時代は甲子園出場もなく、ほぼ無名だったが、関大進学後に才能が開花。力感がない投球フォームから最速154キロの直球と多彩な変化球を操る。制球力と奪三振能力は群を抜いている。3月には侍ジャパンのトップチームに選出され、プロに混ざって欧州代表戦に進発し、2回4奪三振の完全投球でパーフェクトリレーをつないだ。
所属する関西学生リーグでは無双を誇る。昨秋から67イニング連続で自責0を継続中。22年春から23年秋まで18連勝をマークし、23年秋から24年春まで37イニング連続無四球だった。同リーグで通算20勝3敗、防御率0・84で無敵を証明している。
4年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人のチーム編成に合致する。今季は昨季から失点を126点減らし、12球団最少の381失点で守備力重視の戦いで復権へとつなげた。その中で今季15勝で最多勝の菅野が今オフに海外FA権を行使してのメジャー挑戦を表明。来季以降も継続して守備力、投手力を重視したチーム編成を固めていくとみられる。
金丸は今春リーグ戦で腰を痛め、今秋はリリーフ登板に専念する見通しだが、評価は不変。ドラフト会議で即戦力かつ近未来のエース候補として競合必至だ。昨季は阿部監督が母校中大の後輩、西舘を引き当て、一昨年は原前監督が浅野を引き当て、2連勝中。阿部監督が投手陣に常々口にするは「迷ったらど真ん中」。今ドラフトは迷うことなく大学NO・1左腕を指名する。
◆金丸夢斗（かねまる・ゆめと）2003年（平15）2月1日、兵庫県生まれ。神港橘から関大へ進学。最速154キロの速球に加え、スプリット、スライダーやカットボールなども操る。22年秋に最優秀選手、ベストナイン。23年秋に最優秀選手、ベストナイン、最優秀投手。24年春ベストナイン。目標とする投手は今永昇太（カブス）。好きな有名人はダウンタウン、千鳥。趣味は酵素風呂。177センチ、77キロ。左投げ左打ち。
○…阪神の今秋ドラフトは関大・金丸夢斗投手（4年＝神港橘）、明大・宗山塁内野手（4年＝広陵）が1位候補筆頭だ。阪神と巨人が金丸を1位指名した場合、一昨年高松商（香川）の浅野翔吾外野手を巡って岡田監督と原監督が一騎打ちして以来のTG再戦になる。阪神は高校生投手もリストアップ済みで、報徳学園（兵庫）・今朝丸裕喜投手（3年）をはじめ、帝京長岡（新潟）・茨木佑太投手（3年）、横浜隼人（神奈川）・沼井伶穏（れおん）投手（3年）、地元兵庫県の神戸弘陵・村上泰斗投手（3年）らを指名候補に入れている。梅野、坂本に次ぐ捕手も補強ポイントの1つで、日本生命・石伊雄太捕手（24＝近大工学部）らが候補に挙がる。
