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リクエストのVTR判定導入でNPBから名物審判消えた?審判員の技術向上は不可欠/寺尾で候


6月13日のオリックス対阪神3回戦 4回表阪神1死二、三塁、三走原口は梅野の遊野選で生還する。捕手若月

<寺尾で候>

日刊スポーツの名物編集委員、寺尾博和が幅広く語るコラム「寺尾で候」を随時お届けします。

    ◇    ◇    ◇

米大マイナーリーグでは、ストライク・ボールの全投球を機械判定する「ロボット審判」が導入されている。メジャーリーグでも数年後、人間以外がジャッジする時代に突入しているのかもしれない。

日本のリプレー検証制度「リクエスト」は、大リーグが確立した「チャレンジ」から4年後の18年から実施されている。審判の判定に対し、より客観性を求める共通認識も、日米間では似て非なるルールといえる。

今年も「リクエスト」のあり方を考えさせられるシーンに度々出くわす。6月13日のオリックス対阪神3回戦(京セラドーム大阪)では、本塁上のプレーを巡って、試合後のオリックス監督・中島聡が異議を唱えた。

「紙一重ですかあれ。完全にタッチで(走者の)手が上がってるでしょ。ノーベースですよね。原口選手本人が一番わかってるんじゃないですか。それすら見れないのかって話ですよね。完全にノーベースでしょ、誰が見ても。どの映像でそれがあったのかを聞いてみたい気はしますけどね」

4回1死二、三塁。梅野の遊ゴロを遊撃紅林がワンバウンドで本塁に送球した。三塁走者・原口が捕手若月のタッチをかいくぐるように左手を伸ばしてスライディング。きわどいタッチプレーはセーフの判定、中島がリクエストしたが覆らなかった。

仮に拙者が京セラドームの現場で凝視したビデオと、審判団が再生してチェックした映像が同じレベルとしたら、中島が強く訴えるのも分かる気がした。それに他球団の現場からもリクエストに関する要望は年々目立つようになった。

各監督のリクエストはおなじみの光景だが、こちらが見て「完全」と確信するジャッジでも、せっかくだからリクエストしないと損をするみたいな心理が働くのか、間延びを招くのは問題といえる。

かつては判定を不服として監督と審判が激しくやり合うこともあったが、今は異議を唱えれば退場だからおとなしくなった。ビデオ判定に頼るあまり、審判が技術向上を怠ってはならない。さらに腕を磨く必要がある。

こちらの勝手な意見だが、ビデオ判定が導入されて以来、“名物審判”がいなくなったのも寂しい気はする。NPB(日本野球機構)でリプレー検証検討委員会がルールを採用した際に掲げた理念を思い返してみた。

「機械による判定が導入されても、基本は審判員の判定です。常に審判員の技術向上を目指し、より正確なジャッジをすることで審判員の威厳を保ち、試合の規律と秩序を維持することが求められるのは言うまでもありません」

リクエスト制度も進化させていくべきだ。NPBが12球団代表者と事業拡大をテーマに米大関係者と意見交換のため渡米する。本場を参考にするなら、最新鋭システム導入など判定方式の再考も必要だろう。

いまさら感は否めないが、有意義なリポートの“土産”を待ちたい。自民党の女性議員がフランス研修でエッフェル塔の前で撮影した写真を投稿して物議をかもした。“エッフェル姉さん”のような、立場をわきまえない、ご一行の旅にはなりませんように…。(敬称略)

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