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JFLで暫定2位につけるFCティアモ枚方に、ギラギラしたルーキーアタッカーがいる。今季中央学院大から加入したFW小柳陸(23)だ。
7日にリーグ新記録となる1万6480人を動員した国立でのクリアソン新宿戦で後半39分から出場。追加タイムを含めて約10分間、聖地を堪能した。「あんな大きなピッチでJFL最多人数の観客が入った中でプレーできたことは自分にとって、とてもいい経験になりました」。試合前の緊張を忘れ、大舞台でプレーを楽しんだ。
誰もが憧れる国立のピッチに立ったが、決してサッカーエリートではない。中学は東京の街クラブ、FC府中出身で、関東第一、中央学院大を経て、JFLのFCティアモ枚方にたどり着いた。全国大会出場経験は高2のインターハイのみ。それでも「ずっとプロになりたいと思っていた」と自身の可能性を疑わなかった。就職活動はせずに、サッカーで生きていくことを決めていた。現在は午前に練習し、午後はスポンサーの病院で働く日々。それでも「みんなうまいのでやっていて楽しいです」と充実感でいっぱいだ。
二川孝広監督(43)、大黒将志ヘッドコーチ(44)という2人の日本代表経験者から指導を受ける。FWや右サイドを任される小柳にとって、Jリーグ通算177得点の大黒コーチの存在は大きい。「相手DFの背後への動き出し、オフザボールの動き出しはかなり言われる」。確かな成長を実感している。
身近な存在が、サッカーを続ける原動力となっている。成立高から20年にジュビロ磐田入りした吉長真優(22=現在は育成型期限付き移籍でJ3カマタマーレ讃岐)は中学時代の同期だ。大卒1年目に当たる今季、当時のチームメートでサッカーを続けているのは2人だけだという。「真優と上のリーグで戦えるようにがんばりたいですね」。
今季は8試合で1得点だが、「今年のJFLで2桁得点を目標にしていて、1、2年でプロに行きたい。後半戦でバンバン点を取りたい」と貪欲に上を見据えている。【佐藤成】