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<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0西武>◇9日◇甲子園
頼れる男が仲間のピンチを救った。阪神糸原健斗内野手(31)が、緊急出場から先制の口火を切った。
7回先頭で、西武渡辺から中前打。自身13打席ぶりの安打で、この回一気の3得点を呼び込み「先頭バッターだったけど、しっかりチャンスメークできてよかったです」と冷静に言った。
出番は突然やってきた。3回2死一塁の守備。一塁でスタメンの渡辺がカメラマン席へ飛び込んだ。ファウルフライを追い、そのまま転落。なかなか起き上がれないほど強打した仲間を思いながら、すぐさまファーストミットを持ってキャッチボールを始めた。
そのまま一塁で急きょ出場。先発才木が8回1死まで無安打投球を続けたことで「守備はドキドキしながらやってましたけど」と振り返るも「本当に頑張っていたので」と、仲間思いの兄貴分が一振りで流れを変えた。病院で検査を受けベンチ裏に戻ってきた渡辺にも「イトさんも急に代わってくれて、あそこまで活躍してくれたので、僕としてもうれしい」と刺激を与えた。8回には二塁打で出塁し、マルチ安打だ。
22年7月、プロ6年目の時に初めて一塁でスタメン起用された。当時の井上ヘッドコーチに「健斗はファーストやったことがない。楽しんで守りなさい」と送り出された一戦だ。2年がたち、今はいつでも一塁で出られる準備ができている。タテジマ8年目。どんな状況にも動じない男が、虎にはいる。【中野椋】