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札幌招致へ「猶予もらった」=選定先送り、IOCの思惑も―30年冬季五輪


 札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)が招致を目指す2030年冬季五輪の開催地決定に関し、国際オリンピック委員会(IOC)が6日、気候変動の影響を検討するため、当初予定した来年9~10月の総会から期限を設けず先送りすると発表した。札幌にとっては、昨年の東京五輪を巡る汚職・談合事件の影響が懸念され、招致熱も高まっていないことから、日本の関係者には「時間的な猶予をもらった」(JOC国際委員)などと肯定的な見方が目立つ。  招致に関わるJOC関係者は「(招致への)皆さんの理解を得るという意味では、延びた方がいいと言う人が多いのではないか」と率直な認識を示し、「ポジティブに考えてどうやっていくか」と意欲を新たにした。  元JOC幹部は「今の日本はオリンピックムーブメントを推進できる環境にないと判断したのだろう」とIOCの思惑を推察。34年五輪を望む声があるソルトレークシティー(米国)や、バンクーバー(カナダ)も関心を示す中、IOCは札幌開催を最も望んでいるとし、「(事件の影響の)沈静化を待つということ。決定を先延ばしして、時間を稼ぐつもりだろう」との見方を示した。  一方、東京都職員として五輪招致に携わった経験がある国士舘大客員教授の鈴木知幸さんは「IOCは札幌を見切ったと思う」と反対の見方を示す。事件の捜査や裁判が当面続く見通しであることを踏まえ、「札幌は(IOCにとって)リスクが大きい。米国やカナダ(の準備)を待っているのでは」と推し量った。  ある冬季競技団体の関係者は、開催地決定までの期間が延びることで「市民団体などが予算や計画をより精査する時間もできる」と指摘した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕札幌オリンピックミュージアム前に設置されている五輪のシンボルマーク。奥は大倉山ジャンプ台=2021年11月、札幌市中央区
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