
俳優堤真一(61)、山田裕貴(34)が17日、大阪市の大阪ステーションシティシネマでダブル主演映画「木の上の軍隊」(平一紘監督、25日公開)大阪先行上映会舞台あいさつに登壇した。
堤は兵庫・西宮市出身で「ただいま。西宮なので、大阪というと仕事。もうちょっと西宮に行けば帰ってきた感じがするんですが」とあいさつした。
阪神ファンとあって、「今年は調子いいっすね。まだまだ波乱はあると思うから安心しないほうがいいんですけど」とニヤリ。山田から「昨日も携帯見ながら『負けてるぅ』って」と様子をバラされると、「昨日は負け試合だったので若手の選手を投げさせた。今後、夏場に主力が疲れたときにこういう経験をしているのがものすごくいいこと」と目線はもはや監督。
オールスターに9人が選出されていることには「アレが危険」と渋い顔。「9人も行ったら気も使うし。得ることもあるだろうけど、本当はメンテナンスしてほしい。ひとりふたりはしょうがないないけど、9人もいたらほとんどやん」と嘆いた。
一方、元中日、広島で活躍した山田和利氏を父に持つ山田も「星野(仙一)監督が阪神に行った時に、阪神をすごく好きになって。僕、レッドスター赤星(憲広)さんが大好きで。ま、こんなところで」と話した。
妻の元乃木坂46西野七瀬が大阪出身ということもあり、「先月も嫁ちゃん家族と、嫁ちゃんお兄ちゃん家族と、おじいちゃんおばあちゃん…。親戚の方の中に僕1人で一緒にご飯食べさせてもらいました」と大阪との縁も深い。
この日は、朝から映画のプロモーションに奔走し、漫才コンビハイヒールのリンゴと同席。「リンゴ姉さんが隣に座っている状況は大阪でしかないな」と振り返った。
今作は、2010年に亡くなった劇作家の井上ひさしさんが、病床でプロット(あらすじ)まで作り、残した1枚のメモを元に没後の13年に初演した舞台の映画化。太平洋戦争末期に熾烈(しれつ)な地上戦が繰り広げられた沖縄で、終戦を知らずに2年間、ガジュマルの木の上で生き抜いた日本兵2人の実話を基にした物語。
堤は、太平洋戦争末期の1945年(昭20)の沖縄・伊江島に宮崎から派兵された上官の山下一雄、山田は地元沖縄出身の新兵・安慶名セイジュンを演じた。撮影は沖縄と伊江島で行われ、2人はガジュマルの木の上で撮影した。
山田は「モデルになった2人が、どんなことを感じながら木の上にいたんだろうと思いをはせながら1か月間を過ごしました。今生きるすべての人たちに、死んでいくのがかっこいいとかじゃなくて、生きることが何よりも大事とこの作品はメッセージとして持っていると思う。『明日も頑張って生きるか』という力を皆さんに与えられたら」と意気込んだ。
堤も「戦争ってやっぱりいけない。それはみんな分かっていることで、そんな目にも遭いたくない。今までの映画って死んでいく人たちをある種、美しく描いたり、でも、この映画は最も腰抜け野郎がヒーローの映画。時代が変わって腰抜けでもいい。生き抜くことが1番難しいんだ、1番大事なんだというのを多くの人に伝えたい」と訴えていた。