プリシック、体ごと＝負傷引き換えに決勝点―Ｗ杯サッカー・米国

　ボールはネットを揺らした。ただ、プリシックは動けない。米国を決勝トーナメントへ導くゴールは、負傷と引き換えに奪ったものだった。 　イランを押し込みながら、ゴールが遠かった前半３８分。デストが右から頭で折り返し、体ごと飛び込む。相手ＧＫと交錯。治療を受けて一度はピッチに戻ったものの、腹部を痛めて前半で退いた。 　イングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーでプレーする２４歳。左サイドからスピードに乗ったドリブルで好機を演出した。バーホールター監督は「ゴール前が空いていると、すぐに素早く走り込んでくる。チェルシーでも同じような形でたくさんゴールを決めている」。得点シーンには持ち味が凝縮されていた。 　初戦のウェールズ戦でもアシストをマークし、勝ち点１獲得に貢献した。チームが１次リーグで挙げた全２得点に絡む活躍。病院へ行ったエースは試合後、チームメートとビデオ通話で喜びを分かち合った。　（ドーハ時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、米国のプリシック（中央）が先制ゴールを決める＝２９日、ドーハ（ＡＦＰ時事）