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照ノ富士、痛みは限界=責任背負う一人横綱―大相撲春場所


 春場所は珍しく力強さを欠いていた照ノ富士が決断した。膝に古傷を抱える中、横綱在位4場所目で初めての休場。一人横綱としての責任を背負い、土俵に立ち続けていた。  1月の初場所で右かかとも負傷。終盤戦で失速した当時の様子を、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「少し無理して出ていた」と明かす。正代、貴景勝の2大関が振るわない状況で、看板力士として孤軍奮闘した。  先場所後には新型コロナウイルス感染が判明し、右足の回復も遅れた。今場所は押し込まれると粘れず、2敗目を喫した5日目の夜に休場を願い出た。伊勢ケ浜親方は「そういうことを自分から言ってくる子ではない。よほどきついのではないか」。弟子の心境を思いやった。  昨年の名古屋場所後に横綱に昇進し、2場所続けて賜杯を抱いた。横綱として「いい相撲を取らなきゃいけない」。痛みに耐え、強い覚悟で綱の務めを果たしてきた。  横綱不在は、白鵬が一人横綱だった昨年夏場所以来。八角理事長(元横綱北勝海)は「膝などのけがを抱えて続けているのは大変なこと。きちんと治して出てきてほしい」と願う。手術は受けず、まずは回復に専念する。(了)【時事通信社】
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