若隆景、攻めて３連勝＝理想体現「下から」―大相撲春場所

　新関脇で３連勝と上々のスタート。しかも相撲内容が抜群にいい。その若隆景が取組後に話す言葉は、判を押したように「下からよく攻められたかなと思う」。声を弾ませることもなく、うれしそうな表情も浮かべない。 　阿武咲に快勝した２日目に続き、この日も前に出る力が際立った。先場所まで４場所連続で三役を務めていた実力者の明生に、低く頭で当たると、さっともろ差し。休まず相手の体を起こしながら寄り切り、「自分の攻めに集中した」。会心の一番を短く振り返った。 　常に口にし、重視している「下から攻める」という言葉は、集中力を高める効果もある。１３０キロの軽量とあって、いつでも大きな相手に立ち向かわなければならない。「本場所の土俵で変なことをすれば、リズムが崩れる」。本来の相撲を見失わないために、自身に言い聞かせる呪文のような意味があるようだ。 　入門時に憧れていたのは、同じく軽量で、突き刺すような立ち合いが持ち味だった元横綱日馬富士。このまま理想を突き詰めていけば、三役で初の勝ち越しが見えてくる。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕明生（左）を攻める若隆景＝１５日、エディオンアリーナ大阪