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重圧の4年間、今は財産=自分を変えた小平選手〔五輪・スピードスケート〕


 スピードスケートの小平奈緒選手(相沢病院)は、前回の平昌五輪500メートルで日本女子初の金メダルを獲得。地元開催で3連覇を逃し、涙に暮れた李相花選手(韓国)をそっと抱き寄せたシーンは、国内外で反響を呼び、大会の主役になった。  自身のレース後、どよめきが収まらないスタンドに向かって人さし指を口に当てたしぐさも、後続の選手のために静寂を取り戻すよう促したすがすがしい姿として持ち上げられた。  そんな様子を心配そうに見詰めていたのは、結城匡啓コーチ。「ただ単に一番速かったというだけのことが、それ以外のところで付加価値が生じてしまって。ある意味うれしいことではあるんですが…」  あまりにも有名になったことで、何気なく出歩くとスマホのカメラが自分に向けられ、気が休まらない。伏し目がちになる。結城コーチは「いつの間にか変装しないと街に出られなくなった。普通の市民であることを忘れるような期間が少し長過ぎた」という。  常に見られているという息苦しい状況を変えるため、小平選手は自ら周囲に歩み寄った。台風19号の影響で傷ついた地元長野の被災地のリンゴ農家を訪ねた。赤いレーシングスーツを着てスピードスケートのレースに臨み、寄り添う。その姿を見て感銘を受けた農家からリンゴと手紙が届くと、直筆の手紙を携えて家にお礼に行った。  競技生活の傍ら、できる社会活動は限られる。それでもできる範囲で溶け込もうとするまな弟子の姿勢を、結城コーチは「自分も市民であるという気持ちを取り戻せた」とみた。  金メダリストになったがゆえに直面した重圧とも誠実に向き合った小平選手。股関節などが万全でない中でも闘い抜いた4年間は、連覇という形で結びつかなくても、大きな財産になった。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕リンゴ農家の男性宅を訪ね、手紙を手にポーズを取るスピードスケートの小平奈緒(やまだい農園西沢穂孝さん提供) 〔写真説明〕スピードスケートの小平奈緒から届いた手紙を手に持つリンゴ農家の男性=2021年10月5日、長野市
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