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1兆円の夢に挑む。RS Technologiesの急成長を続けるための戦略とは



株式会社RS Technologies
(画像=株式会社RS Technologies)






方 永義(ほう ながよし)
 ――株式会社RS Technologies 代表取締役社長


・1970年生まれ中国福建省出身、城西国際大学院経営学博士

・1998年永輝商事設立

・2010年当社設立、代表取締役社長就任(現任)

高校卒業後に来日し、2014年日本に帰化。「半導体事業」の他、ファンドや貿易、ホテル、IT事業、農業等様々な業界の投資を国内外で経験。「日本のものづくりは世界一」を信条の元、それを世界に広めていくため、世界中を飛び回っている。







株式会社RS Technologies


・半導体用再生ウェーハ事業で世界市場シェア33%のニッチトップ企業

・プライムウェーハ事業に進出し、総合ウェーハメーカーへ

・2023年12月には再生可能エネルギー事業に参入

・グループ上場2か国を達成(子会社GRITEKが上海証券取引所科創板市場に上場)

これまでM&A戦略を中心に事業を拡大してまいりました。今後も祖業である再生ウェーハ事業を基盤に、事業ポートフォリオを拡大し事業成長を目指してまいります。






これまでの事業変遷について



株式会社RS Technologies
(画像=株式会社RS Technologies)



冨田:まず、事業の変遷についてお伺いしてもよろしいでしょうか。


株式会社 RS Technologies 代表取締役社長・方 永義氏(以下、社名・氏名略):私が起業したのは1998年で、当時は株式会社 RS Technologiesとは別の法人を立ち上げました。株式会社永輝商事という会社で、メイン事業としてリサイクル事業を展開していました。リースアップパソコンやオフィス関連の機器、工場設備などを回収して海外に輸出する事業を行っていました。


2010年にラサ工業のシリコンウェーハ再生事業の資産を承継し、製造業に参入しました。RS Technologiesでは、これまで約4社の企業をM&Aしています。非連結の資産管理会社を経由しては約30社程度です。


冨田:30社ですか。すごいですね。


経営判断をする上で最も重視していること



株式会社RS Technologies
(画像=株式会社RS Technologies)



冨田:これまで事業拡大をする際に大切にしてきた、意思決定の基準や重要なポイントはありますでしょうか?


方:当社はこれまでM&Aを駆使して事業の拡大を遂げてきましたが、意思決定や判断の基準として、「アジアに展開できるような技術であるか」「私たちの事業規模に合ったサイズであるか」を大事にしています。この根底には日本の技術力への信頼があり、個人的には日本の製造業は世界一だと考えています。


冨田:なるほど。M&Aの意思決定は、アジア市場が大きなテーマということですね。


方:そうです。日本以外のところでは、私たちが一番注力しているのがアジア圏です。特に中国、台湾、インドネシア、マレーシア、ミャンマーなどの国々に力を入れています。
日本国内だけでなく、どれだけ海外展開できるかがポイントになると考えています。その結果、再生ウェーハ事業は北米でも欧州でも高いシェアを得る事ができました。


冨田:中国圏でのRS Technologies社としての基盤が整っているということですね。


経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み


冨田:経営者としてのルーツや過去の経験が今の社長の強みになっていると思うのですが、いかがでしょうか?


方:私はもともと日系で、日本人の血が流れていることから、日本に対する憧れがより強いと思っています。また、私の父も会社経営に携わっており、父の働き方も小さいころから見ていました。そのため、企業経営に対する理解が無意識のうちに身についたのかもしれません。


冨田:なるほど、そのようなバックグラウンドがあるからこそ、今の方社長があるのですね。


方:そうですね。在日の中国出身者は約100万人おり、そのうち福建省の出身者は3割ぐらいだと思います。彼らは主にサービス業に従事しており、日本の製造業に参入することはあまりありませんが、私はその中で異質な存在かもしれません。


冨田:それにもかかわらず、製造業に取り組まれてきたのは、日本の製造業へのリスペクトがあるからこそということでしょうか?


方:そうです。私は日本の技術やブランドが安心感を与えると思っており、それを世界に広めることができれば、日本だけでなく世界のためにもなると考えています。


冨田:素晴らしいお話ですね。これまでの経験の中で、ターニングポイントや大きなイベントがあったとしたら、どんな経験でしたか?


方:東日本大震災が一番大きなターニングポイントでした。2010年の12月にRS Technologiesを立ち上げ、その3ヶ月後に東日本大震災が起こりました。当社の旗艦工場は、宮城にございますが、工場は半年間も止まりました。水も電気も来ないという生活を送っていたので、描いていた計画も狂っていきました。しかし、社員の皆さんと一緒に模索しながら今日まで至っています。


冨田:震災の経験から経営者として強くなれたのですね。


方:はい、強くなったと思います。震災の際は、工場も従業員の皆さんの生活も大変なことになっていました。震災が起こった当日、全社員に「お給料は払い続けるから、会社に来なくても大丈夫。自分の生活を立て直して、落ち着いたらもう一度工場に来てください。」と伝えました。この出来事によって、社員の会社への思いも強まり、震災のダメージからのリスタートに向けて一致団結することができたと思います。


自社が今後関連していくテーマ



株式会社RS Technologies
(画像=株式会社RS Technologies)



冨田:これまでいろいろな事業の拡大をされてきたと思いますが、今後はどういうテーマで事業を拡大していこうとお考えでしょうか?


方:僕たちが描いている未来構想は非常に大きく、将来的には1兆円企業になろうという目標があります。これは10年前から言っています。弊社連結グループの時価総額は805億円程度ですが、ネットキャッシュは約640億円、営業利益は約119億円程度となっています。その上で、上場している連結子会社は時価総額約1,472億円(当社保有分約40%に相当する金額)となっています。現在の市場評価と私たちの実力にはギャップがあるように思います。現有の資金を有効活用し更なるM&Aを行い、1兆円の経常利益を作るグループになろうという夢を持っています。(※2023年12月末時点)


しかし、このためには仲間を増やさないと達成できません。最近は、仲間をいかに増やすかという課題に焦点を当てて挑戦しています。


冨田:仲間作りが一番重要な未来のテーマだということですね。大震災の後のエピソードからも、仲間を大切にする姿勢が伝わってきます。


方:はい、仲間を大切にしたいという思いは強いです。


冨田: 方社長はこれまでM&Aを続けてきてどんどん拡大していますが、何かポイントがありますか?


方:先ほどお伝えしたように、まずは日本の製造業が大好きで、日本を信じるということが大事だと考えています。その上で、「人を信じる」ということが今までやってきたポイントだと思います。


冨田: グローバル展開も重要で、特にM&Aを通じて仲間になった会社が中国と東南アジアで拡大して成功できるという再現性は、限られた会社にしかできないことだと思います。しかもそれを信じる気持ちと共にやっているところが、非常にユニークなポイントだと感じます。


方: そうですね。当社は日本の上場会社であり、同時に子会社が中国で上場している会社でもあるので、その希少性から多くの企業様から興味を持っていただき、お問い合わせいただくことがあります。これまでは中小企業のM&Aが多かったのですが、今は大手と組んで色々な事業展開ができるステージに入ったのかなと考えています。特に中国に法人を持っている企業様に興味を持っていただき、様々なお話を持ち込んでいただいています。このような背景から、これからさらに加速して事業展開できるのではないかと思っています。


ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言


冨田: 最後に今回のインタビューを通じて投資家の皆様に一言お願いできますか?


方: 弊社は、これまで様々なリスクを取って成長してきました。一見、無謀な挑戦にみえたかもしれません。しかし、多くの議論や現地への訪問、様々な調査の上、綿密な計画を練ったうえで実施しています。これからも積極的にリスクを取ってチャレンジを続けていきたいと考えています。米中の緊張関係がある中で、通常の日本企業は中国市場への参入を躊躇したり中国からの事業撤退をする企業様も多いです。実は、チャイナリスクとはチャイナオポチュニティ(opportunity/機会)なのかもしれません。我々は、リスクコントロール可能な成長機会をしっかりと取り込み業態拡大を目指してまいります。どうか、皆様の信頼とご支援をお願いいたします。


冨田: 本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。



氏名

方 永義(ほう ながよし)

社名

株式会社RS Technologies

役職

代表取締役社長

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