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コミュニケーションから生み出すESGの取り組みとは?


(画像=株式会社MIXI)
島村 恒平(しまむら こうへい)
株式会社MIXI 上級執行役員 CFO
音楽配信会社、コンサルティングファーム等を経て、2016年4月株式会社ミクシィ(現 株式会社MIXI)に入社。経営推進本部経営企画室にて事業支援、経営管理、M&A推進等に従事。2017年10月経営企画室の室長に就任。2019年4月より経営企画本部長として、経営管理部門を統括。 2020年4月、執行役員経営推進本部長就任。2023年4月より、上級執行役員CFO(現任)。
株式会社MIXI
MIXIは、「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」というパーパス(存在意義)のもと、公営競技事業や観戦事業を含むスポーツ、「家族アルバム みてね」や「mixi」などを含むライフスタイル、「モンスターストライク」を中心としたゲームやアニメを含むデジタルエンターテインメント、投資活動を通じて継続的な企業成長と企業価値向上の実現を目指す投資、の4つの領域で事業を推進しています。

ESGにおけるこれまでの取り組み

(画像=株式会社MIXI)

当社では、2021年にサステナビリティ方針を明確化し、8つのマテリアリティ(重要課題)を設定して、様々なサステナビリティ活動に取り組んでいます。

特にESGの取り組みについては、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)それぞれに独自の方針を持っており、その結果を一貫して追求しています。

環境面では、当社はIT企業であり、そもそも環境負荷の高い事業は行っていないものの、2020年の本社移転に際し 、オフィス照明の100%LED化や、オフィス内階段を作りエレベーターの使用を控えるなど、省エネルギーを実現しています。 また、社内決裁等のペーパーレス化もコロナ前には完了しており、しっかりとした対策を実行しています。

社会面においては、当社パーパス『豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。』の実現に向け、コミュニケーションに関する様々なサービスを提供しており、ユーザーのコミュニケーションを豊かにすることで、「孤立」や「孤独」といった社会的な問題の解消に一石を投じられるような企業でありたいと考えています。

また、当社が培ってきた様々なノウハウを活用し、ユーザー個人に留まらず、地域の経済・教育活動にも積極的に取り組んでいます。スポーツチームの運営やプログラミング学習支援などを通じて、地域課題の解決に向けた社会貢献活動を進めています。

そしてガバナンス面では、コーポレートガバナンス・コードの要求に対応し、取締役会の実効性向上に向けた取り組みや、監査役の適切な選任などを行ってきました。

2023年には各取締役・監査役の候補者が保有するスキルとマテリアリティの関連性を開示し、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた候補者選定の判断材料としています。

ESGの取り組みや事業の強み、実績

具体的な取り組みの実績としては、まず環境面では前述のようにオフィスの省エネルギー化やペーパーレス化に加え、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、指標と目標においてScope1、Scope2の温室効果ガス排出量実績を開示しています。

当社はIT企業で環境負荷は低いものの、しっかりとステークホルダーに環境情報を開示することで、信頼性の向上を目指します。

(画像=株式会社MIXI)

社会面では「モンスターストライク」(以下、モンスト)をはじめとしたスマホゲームを通じて、コミュニケーションの場と機会を創出しています。

モンストは、行政機関や自治体が主催する大規模なeスポーツ大会の競技タイトルに選ばれるなど、家族や友人との楽しい時間を提供しています。

また、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」では、離れて暮らすご両親に子どもの写真・動画を共有しコミュニケーションが取れることで、孤独な子育て(孤育て)という社会問題の解消に繋げていきたいと考えています。

(画像=株式会社MIXI)

その他、IT企業として『イノベーションの促進』をマテリアリティに掲げていますので、独自開発のAI技術を活用した会話AIロボット「Romi」を、高齢者向け公共施設や入院病棟など、コミュニケーションニーズの高い施設に提供しています。

実際にRomiと会話を行うことで、施設や病院に入られている方、働いているスタッフのみなさまの癒しになったり、Romiを通じて会話が増えたりと社会貢献に繋がっています。

現状だけではなくESGの取り組みでこれから目指すところ

今後の取り組みとしては、まずサステナビリティの観点から、我々が行っている事業やサービスがすべて社会的意義をもつような形になるよう、これまで以上に力を入れていくつもりです。

また、我々が提供するサービスやプロダクトを通じて社会に良い影響を与えるだけでなく、同時に収益性も追求し、そのバランスを保つことが大切だと考えています。

また、事業を創出・運営する「人」こそ最も重視すべき資本のひとつと考え、「人的資本」への積極的な投資を行う方針です。

人財育成のための研修費用強化、働く環境整備、多様性の確保、そして従業員エンゲージメント向上への取り組みを行うことで、事業の成長に繋げていきたいと考えています。

前述したTCFDにおいては今後Scope3の開示を行っていく予定です当社グループの取引先を含むScope3排出量の算定に加え、各事業セグメントにおける省エネルギー化、再生可能エネルギー等の活用を通じた排出量削減に向けた取り組みについても検討し 、より総合的な環境負荷の軽減を目指します。

今後の上場企業の意義や投資家ユーザーへのメッセージ

(画像=株式会社MIXI)

今後も上場企業として、社会的価値を追求し、その結果を経済的価値に転換するという使命を全うしていきたいと考えています。

我々はパーパス『豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。』の実現のために、『「心もつながる」場と機会の創造。』をミッションに掲げています。全社の価値判断基準はミッションやパーパスに基づいています。

「モンスト」や「みてね」のように、ユーザーのコミュニケーションを豊かするという弊社のパーパスを体現したサービスは、ユニットエコノミクスが高くなると考えています。一人で利用いただくよりも複数名で一緒にご利用いただく方が機能面でも情緒面でもメリットがありますので、自ずとご友人やご家族にもお勧めいただけるようになり、結果当社の顧客獲得コストは低減します。また、一緒に使っていただくことで継続率も向上し、顧客の生涯収益が高くなることが期待できます。そのように優れた収益性の事業を複数抱えることは、企業の経済的価値を向上していくことに直結します。

我々に投資いただくことが、豊かなコミュニケーションを生む「心もつながる」場と機会を創造し、感情豊かな心の通い合う社会への貢献にもつながり、かつ投資家様へのリターンにも繋がる好循環を今後も目指してまいりたいと思います。

(執筆・構成=川村 真史)
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