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子どもの発育・発達を考慮した日本初の子ども向けの栄養評価手法 「幼児・小児向けMeiji NPS」を開発


食品の栄養価値をスコア化し、数値で評価が可能に

 株式会社 明治(代表取締役社長:八尾 文二郎)は、3~5歳の幼児および6~11歳の小児を対象とした栄養プロファイリングシステム(Nutritional Profiling System、以下NPS)である「幼児向けMeiji NPS」と「小児向けMeiji NPS」を日本で初めて開発しました。本研究の成果は、2025年6月17日に国際学術誌 Frontiers in Nutrition(Wakayama, et al. Frontiers in Nutrition. 2025;12:1611286;https://doi.org/10.3389/fnut.2025.1611286) に掲載されました。

 当社は、幼児・小児向けMeiji NPSを活用して、子どもたちの発育や発達に必要な栄養や食素材を考慮した、より栄養価値の高い商品の提供を目指してまいります。

 

【概要】

 幼児と小児にとって大切な発育・発達には、適切な栄養の摂取が重要です。今回、発育・発達に必要となる栄養を考慮した、3~5歳を対象とした「幼児向けMeiji NPS」と6~11歳を対象とした「小児向けMeiji NPS」を開発しました。また、本研究では、幼児・小児向けMeiji NPSの科学的検証も行い、その妥当性を確認しました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202508143607-O4-9H4uzIst】  

                 図. Meiji NPSの対象と健康課題

      ※幼児、小児、成人、高齢者向けのMeiji NPSについて、それぞれ幼児NPS、小児NPS、

       成人NPS、高齢者NPSと記しています。

 

【Meiji NPSのこれまでの取り組み】

 食に関連する健康課題に対して、その具体的な解決策の一つとして注目されているのがNPSです。NPSは、食品に含まれる栄養成分や食素材の量をもとに、その栄養価値を科学的に評価する手法です。

 Meiji NPSは、当社の栄養に対する考え方を明文化した「明治栄養ステートメント」※1に沿って、国や地域、ライフステージの違いを重視し、日本の食文化と食習慣に合わせて設計された当社独自の栄養評価手法※2です。2024年に、生活習慣病と若年女性のやせに着目した成人向けMeiji NPS※3と、フレイルに着目した高齢者向けMeiji NPS※4を開発しました※5、6。

 

【研究の目的と成果の活用】

 健康課題は、ライフステージにより異なるため、成人向けと高齢者向けのMeiji NPSに加え、幼児・小児向けのMeiji NPSも必要と考えました。幼児と小児にとって大切な発育・発達に着目した幼児・小児向けのMeiji NPSを開発することで、子どもたちの発育・発達を考慮した、より栄養価値の高い商品の開発に活用してまいります。

 

論文内容

【論文のタイトル】

幼児・小児向けMeiji NPSの開発と妥当性検証

(Development and Validation of the Meiji Nutritional Profiling System for Children)

 

【幼児・小児向けMeiji NPSの開発】

・ライフステージに基づく設計:幼児と小児のそれぞれの年齢層に必要な栄養に適応させた、幼児向けMeiji NPSおよび小児向けMeiji NPSを設計しました。

・栄養価値の評価方法:幼児・小児向けMeiji NPSは、成人向けMeiji NPSと同様に、摂取を推奨する栄養成分(たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、ビタミンD)、摂取を制限すべき栄養成分(エネルギー、飽和脂肪酸、糖類、食塩相当量)、および摂取を推奨する食素材(果実類、野菜類、種実類、豆類、乳類)の量をもとにスコアを算出します。幼児・小児向けMeiji NPSは、成人向けMeiji NPSと同じ栄養成分と食素材を対象としつつも、それぞれの量は幼児と小児に合わせた設計としています。

 

【幼児・小児向けMeiji NPSの妥当性検証】

・検証方法:幼児・小児向けMeiji NPSの妥当性を検証するため、既存のNPSであるNutrient-Rich Food Index 9.3(NRF9.3)※7およびWHOによる栄養プロファイリングモデル(WHOモデル)※8との比較を行いました。

・NRF9.3との比較:NRF9.3は日本の食事の質と正の相関が確認されているNPSです。NRF9.3との比較において、幼児・小児向けMeiji NPSは、いずれも強い相関関係(r=0.73、p<0.001)を示しました。これによって、幼児・小児向けMeiji NPSは、日本の子どもたちの発育・発達を考慮しつつ、既存のNPSと同様に食品の栄養価値を評価できる手法であることが示されました。

・WHOモデルとの比較:WHOモデルは食品に含まれる栄養素の量に基づいて、健康的な食品とそうではない食品に分類します。幼児・小児向けMeiji NPSによるスコアは、WHOモデルによって分類された健康的な食品とそうではない食品の間に、有意な違いを示しました(p<0.001)。

 

※1 明治栄養ステートメント

株式会社 明治は、グループ理念に「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、「健康・安心」への期待に応えてゆくことを使命として掲げ、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けています。「明治栄養ステートメント」は、このグループ理念を各事業や商品に落とし込む際の考え方を明文化したものとして2021年に策定されました。

https://www.meiji.co.jp/corporate/nutrition/nutritionstatement/

 

※2 明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)に関する当社ホームページ

https://www.meiji.co.jp/corporate/nutrition/nps/

 

※3 成人向けMeiji NPS

成人向けMeiji NPSでは、生活習慣病と若年女性のやせに着目して、推奨栄養成分としてたんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、ビタミンDを、制限栄養成分としてエネルギー、飽和脂肪酸、糖類、食塩相当量を、推奨食素材として果実類、野菜類、種実類、豆類、乳類を設定しました。

 

※4 高齢者向けMeiji NPS

高齢者向けMeiji NPSでは、フレイルに着目して、推奨栄養成分としてたんぱく質、食物繊維、カルシウム、ビタミンDを、制限栄養成分としてエネルギー、糖類、食塩相当量を、推奨食素材として果実類、野菜類、種実類、豆類、乳類を設定しました。

 

※5 明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)に関する当社プレスリリース

https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2023/0630_01/index.html

https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/0415_01/index.html

https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/0808_02/index.html

https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2024/0912_01/index.html

 

※6 明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)に関する学術論文

Wakayama, et al., Nutrients. 2024;16(7):936;https://doi.org/10.3390/nu16070936

Yu, et al., Frontiers in Nutrition. 2024;11:1413980;https://doi.org/10.3389/fnut.2024.1413980

Wakayama, et al., Nutrients 2024, 16(16), 2700;https://doi.org/10.3390/nu16162700

 

※7 Nutrient-Rich Food Index 9.3

ワシントン大学Adam Drewnowski教授により開発されたNPSです。9個の推奨栄養成分(たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンD(E)、ビタミンC)と3個の制限栄養成分(添加糖類、飽和脂肪酸、ナトリウム)にて食品の栄養価値をスコア化します。

 

※8 WHOによる栄養プロファイリングモデル

WHOは子ども向けの食品の販売に際して、健康的な食品とそうではない食品を区別するための基準を提供しています。本研究では、日本を含むWHO西太平洋地域事務局によって開発された基準であるWHO Nutrient Profile Model for the Western Pacific Regionを使用しています。

https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/252082/9789290617853-eng.pdf

 

 

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