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再エネ水素活用 分散型蓄エネシステムの実証実験を開始


地元企業との産学連携による地産地消型再生可能エネルギーシステムの研究開発が次のステージへ

■概要
金沢工業大学(石川県野々市市)地方創生研究所では、白山麓キャンパスにて、地産地消型再生可能エネルギーシステムの実証実験に産学連携で取り組んでいます。今回、新たに、「再エネ水素活用分散型蓄エネシステム」を開発し、実証実験を令和5年4月から開始しました。次世代エネルギー貯蔵の媒体として期待される再エネ水素を活用しています。本システムは、地域・家庭の再生可能エネルギーと水素を連携させるための基盤技術です。白山麓キャンパスの蓄エネ機能を大幅に強化し、カーボンニュートラルの実現とエネルギーレジリエンス向上への貢献を目指して研究開発を進めます。

■本システムの構成と特徴
本システムは、株式会社サイテム(石川県能美市)、有限会社ジータ(石川県能美市)、株式会社成宏電機(石川県小松市)の地元企業3社と共に、それぞれの得意分野を融合した産学連携により実現しました。株式会社サイテムは水素吸蔵合金を使った水素キャニスター(水素貯蔵タンク)と水電気分解水素発生装置の製品開発を担当、有限会社ジータは水素の流量・圧力制御の機械設計と製作を担当、株式会社成宏電機は燃料電池を含めた全体制御を担当しました。

本システムの特徴は次のとおりです。
・再生可能エネルギーを貯蔵する水素キャニスターに水素吸蔵合金を使用:高圧ガス保安法の適用外、消防法上の非危険物です。このため、運用上、極めて安全なシステムです。事業所、店舗、家庭など広い範囲での導入・利用が期待できます。
・再生可能エネルギーを活用したグリーン水素:水素生成に際し、再生可能エネルギーにより水を電気分解しています。このため、生成された水素は、CO2ゼロのグリーン水素です。
・定置型に加えて可搬型水素キャニスターとしても活用可能:繰り返し再充填が可能で取り外しできることから水素モビリティやポータブル電源への適用が可能です。
・ユニット化されたコンパクト設計:水素吸蔵合金を使用していることもあり、非常にコンパクトで、既存の太陽光発電パネルとも容易に接続可能です。
 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202304104700-O11-aXUk7k50
「再エネ水素活用分散型蓄エネシステム」(白山麓キャンパス 地方創生研究所に設置)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202304104700-O7-5FCp0sC4】 再エネ水素にて走行する電動キックボード

■本システムを活用した実証実験
白山麓キャンパスでは、電気を「創る」機能として、太陽光発電、風力発電、自転車発電、バイオマスシステム(スターリングエンジン発電、熱電発電、温水活用)、電気を「貯める」機能として、リチウムイオン蓄電池、鉛電池、電気自動車を具備しています。これまで、「エネルギーマネジメントプロジェクト」として再生可能エネルギーを地産地消するための実証実験を産学連携で進めてきました。

今回、「再エネ水素活用分散型蓄エネシステム」の導入により、従来の蓄電池では実現困難だった長期間かつ大容量の蓄エネが可能となりました。本システムにより、再生可能エネルギーを余すことなく有効活用できます。たとえば、白山麓キャンパスでは、冬季は降雪のため太陽光発電が利用困難になります。この場合、中間期の太陽光発電電力を「再エネ水素」として貯蔵し、冬季へ季節間移動して活用します。今後、長期間蓄エネ能力を活用した再生可能エネルギーの季節間移動、大容量蓄エネ能力を活用した商用系統停電時の自立運転などの実証実験を実施していきます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202304104700-O8-9vA3LdRj】 「再エネ水素活用分散型蓄エネシステム」を活用する白山麓キャンパス実証実験システム

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202304104700-O9-1u4humGg】 「再エネ水素活用分散型蓄エネシステム」を活用した実証実験例 (再エネ水素を活用した再生可能エネルギーの季節間シフトのイメージ)

■本システムの将来展開
本システムは、小型の可搬型水素キャニスターも利用可能です。そこで、「再エネ水素活用分散型蓄エネシステム」を、水素充填スポットとして活用し、可搬型水素キャニスターを交換するだけで連続航行可能な水素モビリティの実証実験を行います。これにより、カーボンニュートラルとエネルギーレジリエンスに加えて、新たなカーボンフリー・モビリティ・インフラの構築にも貢献します。

再エネ水素の利用においては、発電だけでなく、生成過程で生じる熱や酸素等を包括的に有効活用する評価・実証が求められます。本実証実験では、水素吸収・放出時の熱の最適制御を担当する機械工学科の藤本雅則研究室と、蓄電システムとしての最適制御を担当する電気電子工学科の泉井良夫研究室をはじめとした、複数研究室による学科横断クラスター型の研究体制で、研究開発と人材育成に取組んでいく予定です。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202304104700-O10-HHPf3v9U】 本システムの将来展開:可搬型水素キャニスターがもたらす近未来社会

■用語の説明
・再エネ水素(グリーン水素):太陽光発電など再生可能エネルギーの電力を用いて、水の電気分解で生成した水素。運用時のCO2排出量はゼロ。
・水素吸蔵合金:水素を吸収・放出することができる合金。自己体積の1,000倍以上の水素ガスの吸蔵が可能。非常に安全性が高い。
・再エネ水素活用分散型蓄エネシステム:水素吸蔵合金を活用することで再エネ水素を蓄積するシステム。タンク容量の自由度が高く分散型システムとして利用可能。
・水素モビリティ:持ち運びが容易な可搬型水素キャニスターの活用。燃料電池を用いて、蓄積された再エネ水素を電気に変換することで、小型車両やキックボードなど移動動力として活用可能。

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