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ウパダシチニブについて、米国FDAが活動性強直性脊椎炎の成人患者さんの経口治療薬として承認


2022年5月19日
アッヴィ合同会社

ウパダシチニブについて、米国FDAが活動性強直性脊椎炎の成人患者さんの経口治療薬として承認
 ―  2つのピボタル試験において、ウパダシチニブは約半数の活動性強直性脊椎炎患者さんで14週時のASAS40を達成(ウパダシチニブ群の51%および44.5%に対し、プラセボ群で26%および18.2%)、プラセボ群と比較し有意な疾患コントロールを示した1
 ―  ウパダシチニブは14週時に活動性強直性脊椎炎の徴候と症状の有意な改善を示した1-4
 ―  FDAによる活動性強直性脊椎炎に対する承認は、ウパダシチニブの免疫介在性炎症性疾患における5番目の適応1

イリノイ州ノースシカゴ、2022年4月29日(米国時間)-アッヴィ(NYSE:ABBV)は、米国食品医薬品局(FDA)が、1種類以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬に対し効果不十分または不耐容であった活動性強直性脊椎炎(AS)の成人患者さんの治療薬として、ウパダシチニブ(15 mg 1日1回)を承認したことを発表しました1。

アッヴィのsenior vice president of research and development 兼 chief scientific officer の
Thomas Hudson M.D.は次のように述べています。「ASは若年成人に好発し、時間の経過とともに持続的な構造的損傷に至る可能性があり、患者さんの生活に心理的負担を及ぼすこともあります。今回の承認は、リウマチ性疾患の標準治療を進展させるというアッヴィの使命において重要な一歩です」

FDAのASに対する承認の裏付けとなった有効性および安全性データは、1または2種類の生物学的製剤(bDMARD)に対し効果不十分または不耐容であった患者さんを対象にウパダシチニブを評価する第III相SELECT-AXIS 2試験(試験1)およびbDMARDによる治療歴がなく、2種類以上の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に対し効果不十分または不耐容であった患者さんを対象にウパダシチニブを評価する第II/III相SELECT-AXIS 1試験から得られたものです1-3。

オレゴン健康科学大学の医学部教授兼関節炎・リウマチ性疾患科リウマチクリニックの内科部長(professor of medicine and medical director of the Rheumatology Clinics for the Division of Arthritis and Rheumatic Diseases at Oregon Health &Science University)であり、SELECT-AXIS 1試験の治験責任医師を務めたAtul Deodhar, M.D.は次のように述べています。「既存の生物学的療法では疾患コントロールの達成が難しいAS患者さんも存在するため、この疾患の徴候と症状の緩和には新たな治療法が必要です。今回のFDAによる承認は、TNF阻害薬が奏功しない患者さんにとって、経口投与による新たな治療選択肢となり、リウマチ専門医の協力のもと疾患をコントロールする助けとなります」

SELECT-AXIS 1とSELECT-AXIS 2両試験において、主要評価項目である14週時のASAS40*を達成した患者さんの割合は、ウパダシチニブ15 mg群(それぞれ51%および44.5%)がプラセボ群(それぞれ26%および18.2%)と比較して有意に高い結果となりました。また、SELECT-AXIS 2試験では、ASAS40に関する臨床効果が4週時と早期に認められました1,3。

米国脊椎炎協会( Spondylitis Association of America (SAA) )CEOのCassie Shaferは次のように述べています。「現在、AS患者さんにとって、特にTNF阻害薬を使用しても痛みの症状が持続するような場合には、限られた治療選択肢しかありません。新しい薬剤の承認は、より多くの人々においてASの症状が緩和され、治療目標達成の一助となる可能性につながるもので、当協会の対象とする患者さんにとって歓迎すべきニュースです」

ASは、主に脊椎に影響を及ぼす慢性かつ炎症性の筋骨格系疾患で、炎症性の背部痛、こわばり、可動性の制限といった症状を特徴とします。米国では推計で成人200人に1人、約110万人がASに罹患しています5。

試験結果の詳細は以下のとおりです。

14週時におけるASの徴候および症状の改善1-3

ウパダシチニブ15 mgを投与することによって、全背部痛などのASの徴候および症状の改善が認められ、14週時に身体機能( ASの身体機能障害の指標(BASFI ))および疾患活動性(患者さんによる疾患活動性の全般評価)にもプラセボと比較して改善が認められました。

SELECT-AXIS 2試験では、ウパダシチニブ15 mg群において14週時に以下のことが認められました。

・全背部痛のベースラインからの平均減少量(ベースラインからの変化量-3.1)がプラセボ群(-1.5)と比較して有意に大きい6。
・BASFIのベースラインからの平均変化量で評価した身体機能(ベースラインからの変化量-2.3)が、プラセボ群(-1.09)と比較して、有意に改善6。

* ASAS40は、疾患活動性を評価する複合指標です2。ASAS40達成は、患者さんの疾患活動性が4つの評価項目(背部痛、患者さんによる疾患活動性の全般評価、身体機能、朝のこわばり)のうち3項目以上で40%以上改善かつ2単位以上改善し、残りの項目で全く悪化が認められない場合と定義2。

安全性1

・全体として、活動性AS患者さんにウパダシチニブ15 mgを投与したときの安全性プロファイルは、関節リウマチおよび関節症性乾癬(乾癬性関節炎)の患者さんで観察された安全性プロファイルと一貫していました1。
・ウパダシチニブは以下をはじめとする重篤な副作用の原因となることがあります。
 ・重篤な感染症:ウパダシチニブは、感染症と戦う能力を弱める可能性があります。ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、結核および細菌、真菌またはウイルスが原因の感染症など、死に至る場合もある重篤な感染症が発生しています。
 ・1つ以上の心疾患リスク因子を有する50歳以上の患者さんでは、死亡リスクが高くなります。
 ・がんおよび免疫系疾患:ウパダシチニブの投与により、リンパ腫や皮膚がんなど特定のがんの発症リスクが高くなることがあります。現在喫煙している、または過去に喫煙歴がある場合には、リンパ腫や肺がんのリスクが高くなります。
 ・1つ以上の心疾患リスク因子を有する50歳以上の患者さんでは、特に現在喫煙しているまたは過去に喫煙歴がある場合に、心臓発作、脳卒中、死亡などの重大な心血管イベントが発現するリスクが高くなります。
 ・血栓:脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があり、死に至る場合もあります。1つ以上の心疾患リスク因子を有する50歳以上の患者さんで発現頻度が高くなっています。
 ・重篤なアレルギー反応:ウパダシチニブやその成分に対しアレルギーがある場合は服用しないでください。
 ・胃または腸の裂傷および一部の臨床検査結果の変化。

ASにおけるウパダシチニブの詳細については、RINVOQ.comをご覧ください。

SELECT-AXIS 1試験およびSELECT-AXIS 2試験プログラムについて2,3
SELECT-AXIS 1試験は、bDMARDによる治療歴がなく、2種類以上のNSAIDsで効果不十分またはNSAIDsに不耐容/禁忌であった活動性ASの成人患者さんを対象に、ウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた、第II/III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照試験です。第2期は、非盲検継続投与期で、第1期を完了した患者さんを対象に、ウパダシチニブの長期安全性、忍容性および有効性を評価します。本試験の詳細は、www.clinicaltrials.gov(NCT03178487)で閲覧可能です。

SELECT-AXIS 2試験は、1つの治験実施計画書を基に実施され、無作為化、データ収集、解析および報告を別々に実施する独立した2つの試験で構成されます。この第III相、無作為化、プラセボ対照、二重盲検試験では、bDMARD-IR AS(試験1)およびX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(試験2)といった活動性体軸性脊椎関節炎の成人患者さんを対象とし徴候および症状の軽減に対するウパダシチニブの有効性および安全性をプラセボと比較して評価しています。本試験の詳細は、https://www.clinicaltrials.gov/(NCT04169373)で閲覧可能です。

両試験の主要評価項目は、14週間のウパダシチニブ投与後、プラセボと比較しASAS40を達成した患者さんの割合としました。

ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められている選択的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。酵素および細胞アッセイにおいて、ウパダシチニブはJAK-2、 JAK-3およびTYK-2と比較してJAK-1に対しより強い阻害能力を示しました1。特定のJAK酵素の阻害が、治療効果および安全性にどのような意義を持つのかは現時点ではわかっていません。

関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です7-13。

リウマチ領域におけるアッヴィ
アッヴィは20年以上にわたり、リウマチ性疾患とともに生きる患者さんの治療の向上に取り組んできました。革新的な治療を発見し、提供するという当社の長年のコミットメントは基づき、より多くのリウマチ性疾患の患者さんが治療目標達成に導く、有望な新たな経路や標的への理解を深める最先端科学を追求していきます。詳細についてはAbbVie in rheumatologyをご覧ください。

アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookLinkedInInstagramでも情報を公開しています。

 
References:
1.RINVOQ⑧ (upadacitinib) [Package Insert]. North Chicago, Ill.: AbbVie Inc.
2.Van der Heijde, D., et al. Efficacy and safety of upadacitinib in patients with active ankylosing spondylitis (SELECT-AXIS 1): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2/3 trial. Lancet. 2019 Dec 7;394(10214):2108-2117. doi: 10.1016/S0140-6736(19)32534-6. Epub 2019 Nov 12.
3.A Study to Evaluate Efficacy and Safety of Upadacitinib in Adult Participants With Axial Spondyloarthritis (SELECT AXIS 2). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04169373. Accessed on April 29, 2022.
4.Cohen S., et al. Safety profile of upadacitinib in rheumatoid arthritis: integrated analysis from the SELECT phase III clinical programme. Ann Rheum Dis. 2020 Oct 28;80(3):304-11.
5.Reveille J. D. (2011). Epidemiology of spondyloarthritis in North America. The American journal of the medical sciences. 341(4), 284–286. https://doi.org/10.1097/MAJ.0b013e31820f8c99.
6.Data on File. ABVRRTI73541.
7.Burmester G.R., et al. Safety and efficacy of upadacitinib in patients with rheumatoid arthritis and inadequate response to conventional synthetic disease-modifying anti-rheumatic drugs (SELECT-NEXT): a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet. 2018 Jun 23;391(10139):2503-2512. doi: 10.1016/S0140-6736(18)31115-2. Epub 2018 Jun 18.
8.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of ABT-494 for Induction and Maintenance Therapy in Subjects With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis. ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635. Accessed on April 29, 2022.
9.A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of ABT-494 for the Induction of Symptomatic and Endoscopic Remission in Subjects With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Immunomodulators or Anti-TNF Therapy. ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02365649. Accessed on April 29, 2022.
10.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Participants With Giant Cell Arteritis (SELECT-GCA). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03725202. Accessed: April 29, 2022.
11.A Study Comparing Upadacitinib (ABT-494) to Placebo and to Adalimumab in Participants With Psoriatic Arthritis Who Have an Inadequate Response to at Least One Non-Biologic Disease Modifying Anti-Rheumatic Drug (SELECT - PsA 1). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03104400. Accessed on April 29, 2022.
12.A Study to Compare Safety and Efficacy of Upadacitinib to Dupilumab in Adult Participants With Moderate to Severe Atopic Dermatitis (Heads Up). ClinicalTrials.gov. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03738397. Accessed: April 29, 2022.
13.A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Upadacitinib in Subjects With Takayasu Arteritis (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. Available at https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT04161898. Accessed: April 29, 2022.

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