特定外来生物クビアカツヤカミキリの分布拡大を予測するシミュレーションモデルの開発
1. 概要
特定外来生物(注1)に指定されているクビアカツヤカミキリ(Aromia bungii)は、サクラやウメ、モモ、スモモなどバラ科の果樹を食害し、枯死させるなど、観光地や果樹園に深刻な被害をもたらしている外来のカミキリムシです。本種の駆除に向けて様々な手法開発の研究がなされていますが、駆除労力をどこに集中すべきかという空間的な検討はほとんど行われていませんでした。東京都立大学大学院 都市環境科学研究科の大澤剛士准教授、埼玉県環境科学国際センターの角田裕志研究員、三輪誠副室長、嶋田知英室長らの研究チームは、コンピューターシミュレーションと地域住民らの協力を得て収集したクビアカツヤカミキリの分布データを組み合わせ、本種の分布拡大を予測できるシミュレーションモデルを開発しました。この手法を用いることで、今後本種がどのように分布を広げていくかを予測することや、分布拡大を抑制する上で重要な地点を明らかにすることが可能になり、駆除労力を効率的に配分すること等、駆除を効果的に進めることに貢献することが期待されます。
本研究成果は、12月10日付けで、International Association for Open Knowledge on Invasive Alien Speciesが発行する英文誌『Management of Biological Invasions』上で発表されました。
2. ポイント
1. クビアカツヤカミキリは、観光業や農林水産業に多大なる被害をもたらしている外来の昆虫です。
2. 本種の分布拡大を予測できるシミュレーションモデルを開発しました。これを利用することで、将来の分布拡大や現在の分布域がどのように形成されたかを推定することが可能になりました。
3. 本研究の成果を活用することで、現在も研究が進んでいる駆除手法を空間的にどのように配分するかを定量的に検討することが可能になり、効果的な駆除活動に貢献すると期待できます。
3. 研究の背景
人の手によって本来の生息域の外に運び出されてしまった外来生物は、時に人間社会に対して様々な悪影響を及ぼします。2017年に強い毒を持つ外来アリであるヒアリが日本で初めて確認され、世間を賑わせたことを記憶している方も多いと思います。外来生物対策に係る費用は世界中で年間1000億ドルを大きく超えるという試算もあり、外来生物問題は私たちの社会を脅かす一つの要因と言ってよいでしょう。
特定外来生物に指定されているクビアカツヤカミキリ(Aromia bungii)は、その幼虫が公園等に植えられているサクラや、ウメ、モモ、スモモなど、バラ科樹木の内部を食害して枯死させるなど、観光地や果樹園に深刻な被害をもたらしている外来のカミキリムシです。地域によっては駆除に賞金を出す等、現在でも本種の対策に多大なる資金と労力が投じられていますが、被害は広がる一方です。これを受け、薬剤や捕獲機の開発等、本種の効率的な駆除に向けた技術開発の研究が進められてきましたが、既に広域に分布している生物を駆除するためには、駆除技術に加え、駆除労力を空間的にどのように配分するかという広域計画が必要になります。これを実現するための有効な一つの方法は、対象種の分布拡大を予測する手法を確立することです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112094738-O1-7L9ci02K】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112094738-O2-w9fz1efD】
図1.クビアカツヤカミキリの成虫(左)と、本種が侵入したサクラの木(右)。本種の成長した幼虫が生息する木からは大量のフラス(幼虫が食べた木くずと糞が混ざったもの)が出る。
4. 研究の詳細
埼玉県環境科学国際センターでは、研究員らによる調査および市民からの情報提供を集約し、本種の分布および被害状況を取りまとめてきました(https://www.pref.saitama.lg.jp/cess/center/kubiaka.html)。この調査により、埼玉県内では本種の詳細な分布状況が把握できています。研究チームでは、このデータを利用し、本種の分布拡大を予測できるシミュレーションモデルの開発に取り組みました。
生物の分布拡大を予測する手法には様々なものがありますが、本研究ではシンプルなセル・オートマトンと呼ばれる計算モデルを利用したシミュレーション手法を用いました(図2)。この手法は格子状のセル間を単純な規則の下で移動分散させるというもので、既に様々な昆虫、植物等の分布拡大予測に用いられ、実績がある手法です。本種の生態特性と埼玉県における被害状況を考慮し、サクラの木が多いと考えられる場所には分布拡大しやすいという条件を設定し、サクラの木の本数を反映できそうな条件として、単位面積あたりの河川総延長(河川沿いのサクラ並木を想定)、単位面積あたりの道路総延長(道路沿いのサクラ並木を想定)、行政や地域住民から寄せられたサクラの植栽記録およびそれぞれの組み合わせをパラメータとしてシミュレーションを実施したところ、河川総延長が長い場所には侵入しやすいという条件下で行ったシミュレーションが高いコストパフォーマンスを示しました(図3)。予測精度という面では河川総延長と道路総延長を組み合わせた結果が最も高い精度を示しましたが、河川総延長のみの結果との差はわずかであったことから、よりシンプルで高い精度を示した河川総延長が最も使いやすいパラメータと判断しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112094738-O3-WZz51i57】
図2.今回用いたセル・オートマトンの概念図。隣接する4つのセルに設定した条件に応じて侵入が起こる。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112094738-O4-58vk7gaw】
図3.実際の分布データ(左)とシミュレーション結果(右)。シミュレーション結果は実際の分布傾向をある程度反映できている。統計学的な検討においても、ランダムに比べて高い予測精度が得られていることが示された。
さらにこのシミュレーションモデルを用い、埼玉県全域を対象とした分布拡大予測を実施したところ、山林の比率が高い西部への分布拡大は限定的である一方、都市化が進み、サクラの名所が複数存在する中央~東部には著しく分布を拡大する可能性が高いことが示されました(図4)。さらに県の北西部は高い侵入確率を示しましたが、埼玉県に隣接する群馬県側、舘林市、板倉町、千代田町、明和町、大泉町、邑楽町は既にクビアカツヤカミキリが侵入し、大きな被害をもたらしていることが明らかになっています。このことも、このシミュレーションモデルはある程度現実を反映しているものであることを示唆します。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112094738-O5-E6zqBL16】
図4.埼玉県全域の分布拡大予測結果。西部は侵入しにくく、中央~東部は侵入しやすいという明瞭な傾向が示されている。
5. 研究の意義と波及効果
本研究で構築したシミュレーションモデルは極めて単純な仮定に基づいたものですが、その分一般性が高く、他地域においても適用可能性が高いと考えられます。すなわち、今回検討を行った埼玉県以外の地域に適用しても一定の予測精度が得られることが期待できます。今後は埼玉県の周辺県を含めた検討を進めると同時に、関西方面等、埼玉県から離れた地域においても適用されることを期待します。
外来生物の分布拡大に行政境界は関係ありません。周辺地域が一丸となり、労力を集中して徹底的に叩くことが結果的に被害を最も小さくします。本研究の成果がクビアカツヤカミキリによる被害を軽減することに貢献することを期待します。
本研究の一部は、JSPS科研費16H05061の助成を受けたものです。
【用語解説】
注1)特定外来生物:外来生物法のもと、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定された外来生物を指す。これに指定された種は、飼育、運搬等が禁止され、野外においては積極的に駆除することが推奨される。
【論文情報】
掲載誌:Management of Biological Invasions
タイトル:Establishment of an expansion-predicting model for invasive alien cerambycid beetle Aromia bungii based on a virtual ecology approach
著 者:Takeshi Osawa, Hiroshi Tsunoda, Tomohide Shimada, Makoto Miwa
URL/DOI: https://doi.org/10.3391/mbi.2022.13.1.02
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