国語辞典『大辞泉』が今年の新語大賞をいち早く発表!大賞は【インスタ映え】
株式会社 小学館
小学館の国語辞典『大辞泉』が今年の「新語大賞」を発表!大賞は【インスタ映え】
株式会社 小学館(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:相賀昌宏)の国語辞典『大辞泉』編集部は、明治大学国際日本学部の田中牧郎教授をお招きし、一般の方々より寄せられた2,424本の新語の中から第2回「大辞泉が選ぶ新語大賞」を選定。他の投稿語とともに『大辞泉』各種アプリなどに正式に収録・掲載することをお知らせいたします。
■ 第2回「大辞泉が選ぶ新語大賞」はこの言葉に決定いたしました!
大賞 =【インスタ映え】
[投稿語釈]
写真投稿サイト「インスタグラム」に投稿したときに、多くの読者から共感を得られる写真の出来映えの良さ。
[大辞泉掲載語釈]
《「インスタ」は「インスタグラム」の略》インスタグラムに投稿した写真や動画が、際だって鮮やかに見えること。また、それに向いている被写体・素材であること。「インスタ映えのするスイーツ」(12月アップデートより掲載)
●ほかに最終選考まで残った今年の新語7選は以下の通りです。
【文春砲】(5月の月間賞)
【都民ファーストの会】(同6月)
【横入り】(同7月)
【シンデレラフィット】(同8月)
【希望の党】(同9月)
【ガチ勢(ぜい)】(同10月)
【パラダイス文書】(同11月)
※各語の投稿語釈は本リリース後半ページの「各月の新語」をご覧ください。
●投稿数ベスト10は以下の通りです。
第1位 【インスタ映え】 69本
第2位 【忖度】 43本
第3位 【プレミアム・フライデー】34本
第4位 【卍】【マジ卍】 計22本
第5位 【ワンチャン】 15本
第6位 【バズる】 14本
第7位 【文春砲】 13本
第8位 【とりま】 11本
第9位 【パワーワード】 10本
同 【ワンオペ育児】 10本
●「大辞泉が選ぶ新語大賞」発表ページ http://www.daijisen.jp/shingo
●「選考会レポート」ページ http://www.daijisen.jp/shingo/report_2017.html
も、ご参照ください!
■ 特別選考委員・田中牧郎教授による選評
『大辞泉』が選ぶ「今年の新語」に、【インスタ映え】を選定しました。写真共有アプリ・インスタグラムに投稿した際の見映えのよさのことで、「インスタ映えする写真」などと使います。
今やSNSは新語の普及になくてはならない媒体ですが、SNSを発信元とする新語が、SNSに乗って急速に広まった事例。写真投稿が主体という特徴を持つインスタグラムならではの新語と言えます。
この言葉は、和語「-ばえ」を含んでいる点も注目されます。もとになった「はえ」という言葉は、はなやかに引き立つことを意味する伝統的な言葉ですが、以前からあった「見映え」「出来映え」「夕映え」などに加えて、近年「スクリーン映え」「動画映え」など、姿が映る媒体に付く用法が登場しています。従来、「写真写り」「テレビ映り」など、「-うつり」で用いられてきたものが、「-ばえ」の形に移行する動きがあり、そこによくうつるだけではなく、そこで引き立つことでコミュニケーションを活性化させることが期待されているのでしょう。
田中牧郎(たなか・まきろう/明治大学国際日本学部教授)
1962年・島根県生まれ。東北大学文学部・卒業。東北大学大学院文学研究科・修士課程修了。東京工業大学大学院社会理工学研究科・博士課程修了。明治大学国際日本学部・教授。国立国語研究所・客員教授。日本語学会・評議員。日本医学会・用語管理委員。著書は『図解 日本の語彙』(三省堂/共著)。『近代書き言葉はこうしてできた』(岩波書店)。『コーパスと日本語史研究』(ひつじ書房/共著)他。
■ 第2回「大辞泉が選ぶ新語大賞」とは
2013年の初開催以来、各メディアで話題となっている『大辞泉』の「あなたの言葉を辞書に載せよう。」キャンペーン。そのスピンオフ企画として昨年スタートし、今年が第2回目の開催となったプロジェクトが「大辞泉が選ぶ新語大賞 ~あなたの新語も辞書に載せよう。~」です。本プロジェクトは、「変わり続ける言葉を捉え続ける」という編集方針を具体化する試みでもあり、国語辞典の未来の在り方を問うものです。編集部では投稿された新語の中から、毎月「今月の新語」を発表してまいりました。そして11月22日、特別選考委員として明治大学国際日本学部・田中牧郎教授をお招きし、それらの新語から最も影響力のあった言葉を「大辞泉が選ぶ新語大賞」として選定。これらの新語は、編集部が各分野の専門家に執筆を依頼し、『大辞泉』各種アプリなどに収録。goo辞書、コトバンク、ジャパンナレッジにも順次掲載されます。
昨年(2016年)の大賞=【トランプショック】
昨年、最終選考に残った新語=【熊本地震】【顔芸】【ブレグジット】【インスタグラマー】【セカンドレイプ】【ジェンダーレス】【消しカス】【ポケモノミクス】【茹でこぼし】
○名称:第2回 大辞泉が選ぶ新語大賞 ~あなたの新語も辞書に載せよう。~
○実施概要:キャンペーンサイトおよびSNSで、『大辞泉』に未収録の新語と、新しい意味が加わった既存語を募集しました。編集部が大賞候補となる月例賞を毎月選定し、2017年11月30日に「大辞泉が選ぶ新語大賞」を発表。それらの言葉の語釈を、編集部が執筆陣に依頼し、順次『大辞泉』各種アプリに収録。goo辞書、コトバンク、ジャパンナレッジにも掲載いたします。
○期間:投稿募集期間=2017年5月18日(木)~11月19日(日)
■ キャンペーン期間中に毎月選出された「今月の新語」(月間賞)
5月
【アクブレ事故】自動車のアクセルとブレーキを踏み間違えて起こる事故。
【文春砲】週刊誌「週刊文春」に頻繁に掲載されたスクープを、連射する大砲にたとえた語。2016年ごろ、同誌のスクープが社会に大きな影響を与えたことから生まれた言葉。
【じわる】じわじわ面白くなる。
【自国第一主義】他国との協調をかえりみず、自国の利益を最優先とする政策。
【パワーワード】相手に強く伝わる印象的な言葉。文中で特に重要な言葉。
【一本お化け】禁煙中に、1本だけなら大丈夫と吸いたくなる誘惑や油断を化け物にたとえた言葉。
6月
【ラブドール】ダッチワイフのうち、容姿を精巧に人に似せてあるもの。
【印象操作】第三者に特定の事柄や人物について、自己に都合のよいイメージ・心象を植え付けようとする悪意ある行動。
【裸芸】裸でするお笑い芸。
【びびり】怖がりな人。
【都民ファーストの会】小池百合子東京都知事を支持する議員が結集した政党。
【一択】それしか選択肢がないこと。
【転妻】転勤が多い仕事に就いている夫を持つ女性のこと。
【ミリオタ】軍事関係が好きな人のこと。軍事マニア。ミリタリーマニアの略。軍隊そのものが好きな人や、兵器が好きな人などに分かれる。
7月
【ゆう活】夕方、早めに仕事を終え、私的な活動を充実させること。
【前泊】目的があって遠出する際に、目的の時刻に遅れないよう、予め前の日の夜に目的地の近くに宿泊すること。
【ヒングリッシュ】ヒンディー語なまりの強い英語。
【地元民】その土地に住む人。
【寄せ胸】胸を大きく見せるため、左右の胸を中央に寄せること。
【ため語】対等な関係の親しい者どうしが使う言葉づかい。ため口。
【横入り】割り込みのこと。
【検索窓】インターネットブラウザなどで検索したい言葉を入力する所。
8月
【ストレートニュース】 報道するメディア・団体・個人の立場や主張に沿った内容、またコメンテーターの論評などは極力排除し、実際にあった事象や裏取りの取れたもののみを客観的に伝えるニュース。
【負動産】極端に値下がりし、しかも売れる見込みのない、負担にしかならない不動産。
【ポリコレ棒】ポリティカルコレクトネスの視点で人の行動を抑制・批判する過剰なルール。
【シンデレラフィット】 衣類や靴などのサイズがちょうどいいこと。収納器具に中身がぴったり収まること。
【現役出向】 政府系法人に、現役の官僚が出向すること。
【長傘】折り畳み傘に対し、折り畳み式ではない従来の傘のことをいう。
9月
【希望の党】 小池百合子東京都知事が設立した国政政党。
【加熱式タバコ】 燃焼させず、加熱してニコチンなどの成分を抽出するタバコ。
【ダブル不倫】 配偶者がいる者どうしが浮気すること。
【スターマイン】 短時間に様々な種類の花火を連続して打ち上げる演目のこと。
【変声機】 声色を変えられる機能のある機器のこと。ボイスチェンジャー。
【ひっつき虫】 服によくつく植物。オナモミの実やセンダングサの種子など。
【ぱっつん】 まゆ上の短い長さでそろえた前髪のこと。
10月
【ひやおろし】 冬に絞られたあと、加熱処理を1度しか行わない日本酒。
【生活残業】 残業代を稼ぐためにする、不必要な残業。
【進路多様校】 生徒の進路先が四年制大学進学・専門学校進学・就職など多岐にわたる学校(特に高校)。進学校や実業校に対して使われる。
【ガチ勢】 娯楽や趣味に取り組む際に生半可な気持ちではなく、極めて真剣に取り組む人々のこと。
【洗い替え】 貸倒引当金などの経理処理で、当期の金額を計上するにあたり、前期との差額を計上するのではなく、前期の計上を全額戻し入れて、当期の金額を改めて計上すること。
11月
【雰囲気イケメン】 よく見ると格好良くはないが髪型や服装で補正されている男性。
【エモい】 感動・心が揺れ動かされるようす。
【スタンプトーク】 LINEのスタンプだけで会話が成立すること。
【誤爆】 誤ってLINEの送信をしてしまうこと。
【オン眉】 眉毛の上に前髪の先があること。眉毛がちょうど見えないくらいの前髪の長さ。
【インスタ映え】 写真投稿サイト「インスタグラム」に投稿したときに、多くの読者から共感を得られる写真の出来映えの良さ。
【空母打撃群】 アメリカ海軍の艦隊の一種。航空母艦を中心に護衛艦や潜水艦などからなる。
【アムロス】 安室奈美恵の引退宣言にショックを受け何も手につかない状態。
【パラダイス文書】 2017年にバミューダ諸島の法律事務所などから流出した文書。前年のパナマ文書と同様に、世界中の富裕層の金融取引が明らかになった。
※本リリースでご紹介しているのは、一般の方による「投稿された語釈」です。これらがそのまま収録されるのでなく、編集部が新たに執筆陣に依頼し、本年12月・来年4月の改訂時に『大辞泉』各種アプリなどに収録される予定です。なお、一部の新語は、今年8月改訂時に既に収録済み。大賞の【インスタ映え】は12月改定時に収録されます。
■メインキャンペーン「大辞泉 あなたの言葉を辞書に載せよう。2017」とは
言葉の意味や使い方は、時代とともに日々進化し、変化してゆきます。小学館の国語辞典『大辞泉』は、時とともに変わりゆく言葉、時が経過しても不変である言葉、そのどちらも日々とらえて更新し続けている「生きている」国語辞典です。
「あなたの言葉を辞書に載せよう。2017」は、【平等】【女らしい】【男らしい】【普通】【歴史】【嫉妬】【酒】【国家】【幸せ】【オヤジ】といった10の言葉のイメージ(意味)を皆様から広く募集し、年代や性別、人によって解釈が違う言葉の姿を、様々な角度から改めて捉え直してみようという試みです。本サイトでは、キャンペーン期間中に投稿いただいた全てのイメージが自由に閲覧できます。
http://kotoba.daijisen.jp/
■これまでの「あなたの言葉を辞書に載せよう。」キャンペーンへの反響
「変わり続ける言葉を、捉え続ける、生きている国語辞典」を編集方針に、デジタル編集に特化した『大辞泉』の特徴を体感できる本キャンペーンは、過去4回のキャンペーンを通じて、計2万9,000作品を超える言葉のイメージ(意味)が寄せられました。そこから選ばれた優秀作・計401本が『大辞泉』デジタル版で公開されています。一般の方々が考えた独自の言葉のイメージ(意味)が、実際に「国語辞典」に掲載されるという革新性から、各メディアで大きな話題となりました。2014年には『笑っていいとも!』で「国語辞典をアップデート 目指せ!言葉の達人」としてコーナー化され、板倉俊編集長が審査員として出演。タモリ・草彅剛・木下優樹菜ら出演者各氏の独創的な作品が、一般作品とともに『大辞泉』デジタル版に現在も掲載されています。また2015年のキャンペーンでは、『大辞泉』に実際に採用された優秀作品の発表結果が朝日新聞全国版に掲載されるなど、回を追うごとに注目を集めています。
■『大辞泉』はネット&デジタル時代にマッチした“生きている国語辞典”
新しい言葉の採録に積極的に取り組んでいる“生きている国語辞典”『大辞泉』のデジタル版データは、最新採録語数・約29万6,000語(2017年11月現在)に達し、ネット辞書のなかでもナンバーワン。さらに毎年3回、毎回約2,000語の新語・新語釈を追加し定期更新しています。
その先進性が評価され、コトバンク、goo辞書など国内主要ポータルサイトの辞書データとして採用されているほか、主要な電子辞書にも搭載されています。デジタル時代にマッチした国語辞典として、今後も日々生まれゆく新しい言葉をキャッチし、立項・アップデートしていきます。
■『大辞泉』公式ウェブサイトでも情報発信しています
“生きている国語辞典”『大辞泉』の知られざる特長、幅広い展開事例、関連する著名人のメッセージ、関連最新ニュースなどをご覧いただけます。『舟を編む』の小説家・三浦しをんさんからの特別メッセージも読めます!
http://www.daijisen.jp
■『大辞泉』公式フェイスブックページで「ことば」の解説を毎日投稿しています!
『大辞泉』公式Facebookページでは、さまざまな「言葉」について、その語源や使用法など“おもしろくてためになる”情報を編集部が掘り下げて、毎日投稿しています。時事ネタに由来する言葉や新語・流行語など、思わず友達に「シェア」したくなる話題が満載です。
https://www.facebook.com/Daijisen
■『大辞泉』公式Twitterでは多くの方々が日々「ことば」について語っています!
『大辞泉』公式Twitterでは、編集部が日々つぶやく「言葉のあれこれ」や「大辞泉クイズ ことばの総泉挙」の話題だけでなく、たくさんの方々が様々な話題でつぶやいています。辞書好き、ことば好きのみなさんがホンネで語るしゃべり場、それが大辞泉公式Twitterです。
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■『大辞泉クイズ ことばの総泉挙』実施中!一日一問で「言葉の達人」を目指せ!
『大辞泉』公式ウェブサイト内のコーナー「大辞泉クイズ ことばの総泉挙」では、間違いやすい言葉の用例について毎日一問ずつクイズ形式で出題し、みなさんの言葉のセンスと知識に挑戦しています。楽しみながら「言葉の達人」を目指せるこのコーナーに、ぜひ一度遊びに来てください。
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