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カーペットの「衝撃吸収性」を首都大学東京と共同研究 転倒時のシミュレーションによる脳損傷リスクの予測


2017年4月24日



日本カーペット工業組合



カーペットの「衝撃吸収性」を首都大学東京と共同研究 

 転倒時のシミュレーションによる脳損傷リスクの予測

  カーペットの“安心・安全”を明らかに



 日本カーペット工業組合(大阪市中央区、吉川一三理事長)はこのほど、首都大学東京(システムデザイン学部・青村茂教授)と共同で、カーペットの衝撃吸収性を新たな角度で実証する研究に着手しました。

 室内で転倒した時に頭部が受ける衝撃度を測定し、転倒状況をシミュレーションして脳挫傷や硬膜下血腫などの様々な脳損傷の発症リスクを予測します。



 厚生労働省によると、家庭内での転倒・転落事故は多く、不幸にも命を落とされる方は高齢者を中心に年間で1949人(人口動態調査:2015年)もおられます(※1)。

 カーペットを敷いた床は滑りにくく、転倒した場合でもケガをしにくい(カーペットが衝撃を吸収する)ことは既に実証されています(※2)。今回の研究でカーペットの衝撃吸収性を改めて科学的に検証し、カーペットの安心・安全性を明らかにしていきます。

 

 研究を担う首都大学東京の青村茂教授(システムデザイン学部知能機械システムコース)は現在、外部衝撃による頭部損傷のメカニズムの解明などに取り組んでいます。

 共同研究では、転倒した時に受ける頭部の衝撃度を最新の特殊機器で測定し、カーペットとフローリングでどれだけ衝撃度に差が生じるかなどについて調べます。測定結果をもとにあらゆる転倒状況をシミュレーションし、衝撃による頭部損傷(脳挫傷、硬膜下血腫、骨折など)の発症リスクを比較して予測します。

 

 既に実験はスタートしており、現時点において「床の厚み、柔らかさが増すことで、頭蓋骨骨折や脳損傷の発症リスクが減少」(青村研究室)することが分かりました。今後さらに詳細なデータ収集、測定数値の分析をおこなってまいります。研究結果はまとまり次第、発表いたします。



 日本の高齢化率は今後ますます上昇していきます。この研究結果を通して、カーペットの特性をご理解いただき、住宅でカーペットが広く利用されることで高齢者の安心・安全な生活につながることが期待されます。





※1 厚生労働省の「人口動態調査」(2015年)によると、家庭における不慮の事故の死亡数は年間13,952人。そのうち、「スリップ、つまずきなどによる同一平面上での転倒」は1,469人、「階段からの転落、階段での転倒」は480人で、65歳以上の高齢者の割合は約90%。

※2 「転倒衝突時の床のかたさの試験方法」(JIS A 6519)に基づき、各種床材の転倒時の衝撃力(G値)を日本カーペット工業組合が調べたところ、コンクリートが「170」、木質フローリングが「143」に対し、カーペットは「106」であった(カーペット+アンダーフェルトでは「82」)。G値が小さいほど衝撃力が弱い。



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