原油価格と株価の関係
原油価格と株価は密接にかかわり合っています。原油価格下落時は、日経平均やNYダウ平均も下がりますよね。
そのことは読者の皆様も身を持って体感されていると思います。では、なぜ原油価格の下落が株価の下落につながるのでしょうか?
意外に知らないそのロジック。今号では、原油価格と株価の変動にフォーカスして話を進めたいと思います。
理由1 中東ファンドの影響が大きい
世界の株式市場における中東ファンドの存在は非常に大きいと言えます。いわゆる「オイルマネー」ですね。
中東の資金力は規模が違う。例えば、直近上場が噂されている、サウジアラムコの時価総額は優に1兆ドルを超えると言われています。一時は2兆ドルを超えると言う噂も流れたくらいです。
仮に、2兆ドルだとしたらアップルを2倍しても全然足りない。それに、トヨタを足しても足りないですね。そのくらいインパクトがある訳です。
中東の資金力は別格
よって、中東ファンドのインパクトも相当大きいのです。
結論から言うと、中東ファンドは270兆円程度あると想定されています。原油価格の下落は中東の景況感悪化にダイレクトにつながります。
当たり前ですが、景気後退局面では手元に、キャッシュポジションを増やしますよね。よって、世界の株式市場からオイル(老いる)マネーを引き上げる訳です。
それが株価の下落につながるロジックです。もちろん、すべての資金が株式で運用される訳ではありません。しかし、その額は莫大であることは明らかです。
2013年の日本株の推移を思い出して下さい
1万円台でスタートした株価が5月には1万5,000円越え。結局、1万6,000円台を回復してその年の取引を終えています。
この年の外国人投資家の日本株買越額は15兆円。このことから比較しても、中東ファンドの規模の大きさ、インパクトの大きさが分かるのではないでしょうか。
理由2 米国主力企業にはエネルギー関連会社が多い
米国株が下落すれば日本株も下落する。米国株と日本株は強い相関関係があることで知られています。
原油下落に起因する米国株安が、間接的に日本株に悪影響を与えているケースもあります。
どのような状況で米国のインデックスは下落するか
当たり前ですが、主力企業の業績が悪化したときに下落します。米国の三大資源メジャーに代表されるように、米国の主力企業にはエネルギー関連が多い。
ダウ平均の30銘柄の内、2社はエネルギー関連が占めています。
まとめ
原油価格が下落すれば、エクソン・モービルやシェブロンの株価も下落してしまいますよね。これが、インデックスの下押しリスクにつながる訳です。
よって、日本株が下落する。ひいては、世界の株式市場が下落する訳です。
もちろん、上述した2点以外の要因も考えられますが、特に大きい要因をピックアップさせて頂きました。ご参考頂ければと思います。(執筆者:徳田 陽太)