高齢化社会を迎えた日本。
特に介護保険を利用しサービスを受けられる方が増えてきています。
最近、テレビで取り上げられるようになってきた、老後にかかるお金。
特に介護が必要になってきた時に必要な金額を皆さんご存知でしょうか?
介護保険利用負担費(長い名前)
まず、基本となるのが介護保険利用負担費です。
介護保険利用負担金は介護サービスを利用した場合の利用者負担になります。
介護サービスにかかった費用の1割を利用料として支払います。(一定以上の所得者は2割)
利用できるサービスの限度額は要介護度別に決まっています。
もし、限度額を超えて利用してしまうと超えた分は全額自己負担になりますので注意が必要です。
今回は施設に入居したらどの位かかるのかを見ていきましょう。
1. 特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームの費用は入居者本人と扶養義務者が負担することになります。
本人と扶養義務者の所得によって金額が変わりますが、5万~15万と格安で入居できます。(地域別で金額は変わります。)
格安のため待機者が多いのが長年続いている状況です。個室や多床室でも金額が違います。
多床室は2~4人の相部屋というタイプになるので少しお安くなります。
月額利用費は、
になります。
食費・居住費は施設によって多少違います。
食費は朝、昼、おやつ代、夕食と別れて料金設定がされていて、食べた分だけ実費負担になりますので、事前に確認しましょう。
また、医療費・散髪費等の日常生活費も実費負担になります。
2. 介護老人保健施設
介護老人保健施設の費用は世帯収入や課税状況によりますが、8万~17万程度と特別養護老人ホームより高く設定されています。
ただ、こちらは終身の施設ではないので退居しなければならないこともあります。
こちらも 月額利用料等は特別養護老人ホームと同じ計算方法になります。
3. 各種老人ホーム
一番費用がかかるかもしれませんし、計算方法が厄介です。
まず、入居一時金が必要な場合があります。
金額もその施設で違うため、0~100万の所もあります。居室費や食費もそれぞれの施設で差があります。
介護付き有料老人ホーム
【月額利用費】
住居型有料老人ホーム
【月額利用費】
介護サービスは外部の事業所を利用します。
月額利用費以外に利用した介護サービスの事業所に介護保険利用者負担費を支払います。課税状況や世帯収入での月額利用費の減額は無いところが多いです。
4. グループホーム
1ユニット5人~9人で共同生活する介護福祉施設です。
地域密着型サービスになるため、施設と同じ地域に住民票がなければ入居できません。
入居一時金については、設定している施設もありますが、一般的に有料老人ホームほど高額ではありません。
入居費用については利用する施設の地域や認定されている要介護度によって変わります。都心にあるほど若干高額にはなりますが、だいたい1か月10万円から20万円程度となっています。
また、利用できる付加サービスや設備の充実の違いでも利用料金がかわります。事前に利用できるサービスや料金についても詳しく確認しておきましょう。
施設のスタッフも料金についての説明は慣れているものですから、遠慮はせず気になることは何でも確認する姿勢を心がけておきましょう。
【月額利用費】
施設によっては 一時金や保証金が必要な場合有り。
まとめ
今回は色々な施設サービスの月額利用費を見ていきました。
安い所もありますが、ひと月に十万を超える所が多いのが現状です。
本人や家族だけで探してしまうと考えていたのと違う、予算オーバーになって生活が苦しくなってきた等のトラブルが起きることがあります。
介護保険を利用しているなら担当のケアマネージャーに相談しながら施設選びをする方がいいでしょう。
施設は増えてきていますが、金額に対するトラブルも増えてきています。
また、特別養護老人保健施設・介護老人保健施設・介護付き有料老人ホーム・グループホームは待機者が多く、すぐに入居出来なくなっています。
豆知識
介護保険負担限度額認定証
一定の条件を満たすことで、居住費や食費の減額が受けられる制度が始まりました。
条件として
(1)世帯の全員が非課税
(2)預貯金が一定額以下
・ 配偶者がいない場合1,000万円以下
・ 配偶者がいる場合 2,000万円以下
課税年金収入額と非課税年金収入額と合計所得金額の合計額により負担段階が決まります。
該当しそうな時は一度、ケアマネージャーに相談してみましょう。(執筆者:佐々木 政子)