今年は物価高騰など、家計を圧迫するような状況が多く、なかなか厳しい年となりました。
そこで会社員などお勤めしている方が、しっかりとやっておきたいのが年末調整です。
給与から多く差し引かれていた税金を適切に申請することで還付という形で取り戻すことができます。
年末調整の申請の時に受けることのできる「知っておくべき所得控除11選」を紹介します。
年末調整と控除とは
年末調整
会社員、パート、アルバイトが申請する税金に関する手続き・申請です。
会社員や公務員は毎月の給与から予め所得税が控除として差し引かれていますが、これは1年間でだいたいの予測収入額に対して、暫定で算出した仮定金額になります。
年末調整では、「実際に納付した所得税額」と「一年間で納付すべき所得税の合計額」に差分がないかを調整する申請です。
その差分で不足分は追加で納付、超過分は還付されるようになっています。
所得控除
年末調整では、所得控除が適応されます。
控除の申請を行うことで、所得から該当項目からいくらかを経費のようなかたちで差引き、還付で戻ってきます。
「所得控除」は個人の家庭の構成や加入保険、状況等を考慮しており、確定申告で申請しないと還付されないので、年末調整と控除条件を理解し、申請の準備をしましょう。
申請できる控除
(1) 配偶者控除
最高控除額:38万円
条件:配偶者の合計所得額が103万円以下
(2) 配偶者特別控除
最高控除額:38万円
条件:配偶者の合計所得額が103万円~201万6,000円以下
※納税者本人の給与と配偶者の給与の金額に応じて段階設定
※納税者本人の給与額が1,000万円以下の場合に適応
(3) 扶養控除
控除額:
16~18歳 38万円
19~22歳 63万円
23~69歳 38万円
70歳以上(同居58万円、別居48万円)
※公的年金の収入のみ(年収158万円以下)場合
条件:16歳以上の子どもや親族を扶養している
※年齢によって控除額が変動
(4) 生命保険料控除
控除額:年間支払保険料に応じて最高額12万円まで
条件:民間の保険会社に生命保険料、介護医療保険料、年金保険料を支払った
(5) 地震保険料控除
控除額:年間支払保険料に応じて最高額5万円まで
条件:民間の保険会社に地震保険料などの長期の損害保険料を支払った
(6) 小規模企業共済等掛金控除
控除額:掛金全額
条件:小規模企業共済の掛金や個人型年金など「確定拠出年金法」に規定する個人型年金の掛金を支払った(iDeCoも含む)
(7) 社会保険料控除
控除額:掛金全額
条件:国民健康保険や国民年金など、公的な保険料を支払った
(8) 障害者控除
控除額: 1人につき27万円
※特別障害者40万円、同居特別障害者75万円
条件: 配偶者や扶養親族の所得税法上の障がい者にあたる人がいる
(9) ひとり親控除
控除額: 35万円
条件: 合計所得が500万円以下でひとり親の人
(10) 寡婦控除
控除額:27万円
条件: 合計所得が500万円以下で寡婦(夫や妻と死別、離婚した後に婚姻をしていない方等)にあたる人
(11) 勤労学生控除
控除額: 27万円
条件: 自身が勤労学生の人
年末調整で申請できないその他の控除
ふるさと納税(寄附金控除)
控除額:「特定寄附金」に対して、合計寄付金額から2,000円を引いた額、もしくは、その年の総所得金額等の40%相当額から2,000円のいずれか低い金額
条件:確定申告
医療費控除
控除額:1年間に支払った医療費の合計-該当の治療に際して支払われた保険金等の額)から10万円を差し引いた金額
条件:
1年間の医療費が10万円
確定申告
雑損控除
控除額:差額損失-所得金額の10%
条件:「災害」「盗難」「横領」のいずれかの理由で損害を受けた
※詐欺や恐喝は対象外
年末調整に向けて知っておくべき所得控除11選
このような申請は、数十万円単位で還付があるものの税務署や役所などは大々的に発表や連絡してくれず、会社のアナウンスや自ら調べて、申請手続きをする必要があります。
申請の際に証明書の添付が必要なものもあるため、10月から送付される書類や証明書関連はきちんと管理・保管をしておきましょう。
健康保険証は廃止日以降に返却する物と、返却しない物に分かれる理由