バーチャルカード、あるいはデジタルカードと呼ばれる、券面のないクレジットカードが増えてきました。
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筆者も数えたら5枚持っています。
それぞれ活躍シーンを持っています。
この記事では、バーチャルカードの利用法、便利な理由について紹介します。
さらに「クレジットカードの適正枚数は2~3枚」というおすすめ記事を見かけます。
バーチャルカード時代においては、おすすめとして成り立っていないことを説明してみます。
カード券面の決済をしなくなった
バーチャルカードの隆盛がピンと来ない方のためにまず、カード券面がいかに必要とされなくなったかを見てみます。
オンラインや公共料金引落しだけの話ではありません。
筆者の日常生活では、カード券面で決済するのは以下のシーンだけです。
・ 都営地下鉄の券売機で1日券を購入
・ タッチ決済が使えず、かつ電子マネーやQRコード決済で支払うと店舗独自のポイントが付かない店舗でカード決済(例:スーパーオオゼキ)
・ 入会キャンペーンでの必要額利用のため、実店舗で新規カードを利用する(ただしキャッシュレスアイテムが豊富なクレジットカードは、カード決済でなくてもいい)
・ セゾン・アメックス・キャッシュバック利用のため(券面での決済が求められる)
じっくり考えてみましたが、本当にこれだけです。
キャッシュレス社会では、おおむねカード券面で決済しないほうがトクです(Wポイント、または決済にプレミアが付く)。
キャッシュレス方法がカード現物決済しかない地下鉄券売機を除くと、あとは「あえてカード券面を出したほうがトク」なケースです。
カード券面はすでにさして必要とされていないわけです。
バーチャルカードにはこんなものがある
現在発行されているバーチャルカード(デジタルカード)を見てみます。
カードの機能は完全に有しており、ただ現物決済ができないカードを取り上げます。
・ 三井住友カード(CL)
・ Visa LINE Payプリペイドカード
・Visa LINE Payクレジットカード(p+)
・ PayPayカード(プラスチックカードを発行しない場合)
・ ファミペイバーチャルカード
・ セゾンカードデジタル(リアルカードも送られてくる)
・ セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードDigital(リアルカードも送られてくる)
・ (クレジットカードではない)Visa LINE Payプリペイドカード
プリペイドカードの中には、多数バーチャルカードがあります(例:バンドルカード、Kyash)が、今回はクレジットカードに利用シーンが近いVisa LINE Payプリペイドカードのみ取り上げました。
三井住友カードはすべてバーチャルカードに近い
三井住友カードのバーチャルカードといえば「CL」(カードレスの略称)です。
三井住友のラインナップではそれほど存在感はないのですが、これはCL自身の問題ではなく、三井住友カード全体が、券面を必要としないシーンが多いためと思われます。
入会時はこれが顕著で、多くのカードはカード券面到着前にタッチ決済等で利用可能となっています。
三井住友カードのメリットは次のとおりで、いずれも券面を必要としません。
・ 多数のコンビニ・飲食店で、スマホタッチ決済7.0%以上
・ LINE Payが使え(チャージ&ペイ)、税金の支払時でもポイントがたまる
セゾンはリアルカードも届く
セゾンカードの場合、バーチャルカードでもプラスチックのカードが届きます。
リアルカードもバーチャルカードもあまり差がないのですが、バーチャルのほうが入会キャンペーン特典が多くなっています。
毎月新規店舗が最大30%オフで使えるセゾン・アメックス・キャッシュバック利用の際には、プラスチックカードが必須です。
PayPayカードは券面がなくてもよく働く
PayPayカードは、プラスチックカードを持たずに使えます。
QRコード決済のPayPayを、クレジット利用(旧あと払い)で支払うときに必須のカードで、これにより還元率が1.0%となります。
オンライン決済でもPayPayが広く使えるようになっているので、カード券面は必要ないのではないでしょうか。
ちなみに、PayPay以外の有利な組み合わせもあります。
・ (Mastercardブランド)au PAYにチャージする
・ (JCBブランド)ファミペイにチャージする
どちらもPayPayポイント付与対象です(1.0%)。
LINEのカードはバーチャルで本領発揮
LINEの名前の付くクレジットカードは三井住友カード発行のため、性質が似ています。
Visa LINE Payクレジットカード(p+)は、LINE Payに組み合わせて月1万円まで5.0%還元となります。
券面を使っても0.5%還元で平凡のため、バーチャルカードがおすすめです。
「p+」の付かないVisa LINE Payクレジットカードは還元率1.0%に落ち、LINE Payとの組み合わせにもメリットがなくなりました(ポイント対象外)。
こちらは、むしろリアルカードに価値があるかもしれません。
バーチャルカードのみ発行なのが、Visa LINE Payプリペイドカードです。
2024年1月10日より、タッチ決済で3.0%還元(月1,000ポイントまで)という高還元率カードに生まれ変わりました。
筆者も早速三井住友カードのタッチ決済と使い分け、活用しています。
他社も追随するはず
バーチャルカードを発行していないカード会社も、カード審査通過後にApple Pay等によりカードを使える仕組みはすでに導入しています。
・ イオンカード
・ JCBカード(オリジナルシリーズ)
いずれ、最初から券面を持たないバーチャルカードが発行されるのではないでしょうか。
バーチャルカード時代のカード枚数の考え方
Web上のコラムで、「クレジットカードの適正枚数は2~3枚」と主張する記事をしばしば見かけます。
常に10枚超えの筆者も、この主張に説得力があるなら、別に反論する気は起きません。
ただ大部分の記事は、理由付けが弱すぎます。どの記事もおおむね同じ、このような理由です。
・ カード枚数が多いとなくす(盗られる)
・ 管理が大変
・ 不正利用に気づきにくい
・ ポイントが分散する
・ 年会費を取られる
・ 限度額が分散して使いづらい
スマホ時代の主張には思えません。
不正利用云々については、明白に理屈がおかしいと考えます。
次のどちらが、不正利用に気づきやすいでしょうか?
・ (集約の結果)月の利用件数が30件あるカード
・ (多数持ちの結果)月の利用件数が3件程度のカード
ところで、バーチャルカードは多数持ちを戒める主張のすべてに反駁できます。
次の通りです。
・ バーチャルカードは紛失しないし、盗られない
・ バーチャルカードに限らずスマホ時代はカード管理が楽(利用があればすぐ知らせてくれるし、明細もすぐ確認できる)
・ バーチャルカードの不正利用があっても、スマホのポップアップですぐ気づく
・ ポイントについては、バーチャルカード以前にそもそも共通ポイント時代なので失効しにくい
・ 年会費を取られるバーチャルカードなどない(セゾンパールは年一度の利用で無料)
・ 限度額の分散については、そもそもバーチャルカードを少額決済用に持っていれば関係ない(限度額が低いほうが、むしろいい)
券面の存在しないバーチャルカードは、「持つ負担」からカードユーザーを解放してくれる得難い存在だと考えます。
バーチャルカードの別の心配がある
ユーザーのためを考えたアドバイスでも、方向性が狂っていては役に立ちません。
バーチャルカードにデメリットがあるのなら、むしろ次の点だと筆者は考えます。
<カードを持っている実感がなく、気軽に使ってしまう>
ただ、これは意識付けの問題に過ぎないでしょう。
PayPayの地域還元があると筆者はどこでも出かけていくので、PayPayカードの利用が増えます。
ですが、「カード利用をしている」ことを忘れたことなどありません。
バーチャルカードを活用しましょう 枚数が多くても問題なし
持つ負担から解放してくれるバーチャルカード、積極的な利用をおすすめします。
カード枚数が増えても、問題はありません。
なおATMが使えないため、キャッシング枠は付けないことをおすすめします。
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