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2023年冬の定期預金金利引き上げラッシュについて、今預金者が知っておくべきこととは?元銀行員が解説


2023年冬の定期預金金利引き上げラッシュについて、今預金者が知っておくべきこととは?元銀行員が解説
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長きに渡る低金利政策により、預金にほとんど利息がつかない状態がずっと続いていました。

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しかし、世界的な金利の上昇などを背景に日本でも金利が上昇し始め、この冬は金融機関による定期預金金利引き上げラッシュが起こっています。

そこでこの記事では、その事態に関して今預金者が知っておくべきこととして、

  • 定期預金金利引き上げラッシュが起こった理由

  • 定期預金引き上げを行った主な金融機関

  • 金利引き上げの対象となる定期預金の種類

  • 定期預金金利引き上げについて預金者が注意すべき点

について解説します。

2023年冬定期預金の金利引き上げラッシュ!うれしいけれどなぜ?

2023年冬に定期預金の金利引き上げラッシュが起こった理由

定期預金の金利引き上げラッシュが起こった理由をお伝えします。

日本銀行は、短期金利(※)がマイナス0.1%、10年もの長期国債の金利が0%程度で推移するように国債の買い入れを行い、短期金利と長期金利を操作する金融政策(イールドカーブ・コントロール)を平成28年9月から行ってきました。

  • 短期金利は1年未満の資金の貸し借りに適用される金利。

  • 対する長期金利は1年以上の資金の貸し借りに適用される金利です。

長期金利とは貸し借りの期間が1年超の金利のこと(画像提供元:日本銀行)

しかし、世界各国で金利が上昇していることなどを背景に、日本銀行は2023年7月にその金融政策を柔軟化、長期金利の上限を引き上げました。

それに伴い、この冬は多くの金融機関(銀行、信用金庫など)が一部定期預金の金利を引き上げています。

私が調べた範囲では、多くの金融機関が以下の形で定期預金金利(税引き前)を引き上げています。

  • 5年・6年 0.002%→0.07%(35倍)

  • 7年~9年 0.002%→0.1%(50倍)

  • 10年 0.002%→0.2%(100倍)

たとえば100万円を10年間預けた場合従来は税引前の満期利息がたった200円でしたが、金利引き上げ後は2万円になります。

この度の金利の引き上げが、預金者にとっては大きなメリットになることがおわかりでしょう。

参照:第一生命経済研究所【1分解説】イールドカーブ・コントロール(YCC)とは?

NHK 定期預金金利が100倍に!金利がある世界は本格的に到来するか?

SMBC日興証券 初めてでもわかりやすい用語集 長期金利 (ちょうききんり)

5年以上の定期預金金利引き上げを行った主な金融機関

この冬定期預金金利の引き上げを行う金融機関は非常に多く、そのすべてをご紹介することはできません。

ここでは、預入期間5年以上の定期預金金利引き上げを行った主な金融機関(メガバンク・地方銀行)をご紹介します。

メガバンク(都市銀行)

三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行

地方銀行

北海道銀 青森銀行 秋田銀行 東北銀行、岩手銀行 十七銀行 常陽銀行、足利銀行 千葉銀行 千葉興業銀行 きらぼし銀行 横浜銀行 山梨中央銀行 静岡銀行 スルガ銀行 清水銀行 大垣共立銀行 百五銀行 十六銀行 三十三銀行 第四北越銀行 北陸銀行 福井銀行 富山銀行 滋賀銀行 京都銀行 南都銀行 紀陽銀行 中国銀行 鳥取銀行 山口銀行 もみじ銀行、山陰合同銀行 広島銀行 阿波銀行 伊予銀行 百十四銀行 四国銀行 福岡銀行 佐賀銀行 宮崎銀行 筑邦銀行 十八親和銀行 鹿児島銀行 日本シティ銀行 肥後銀行 北九州銀行

※筆者が独自に調査

以上の他、信用金庫などでも一部の定期預金金利を引き上げています。

金利引き上げの主な対象となる定期預金は「大口定期預金」と「スーパー定期預金」

各金融機関が金利の引き上げの対象にしているのは一部の定期預金です。

その点について私が調べてみたところ、次の定期預金が対象となっているケースがほとんどでした。

スーパー定期預金

1円から預けられる一般的な定期預金です。

多くの金融機関では、

  • 預入金額300万円未満の「スーパー定期」と、

  • 300万円以上の「スーパー定期300」

で区別しています。

預入期間は1か月以上10年以内ですが、通常は各金融機関が定めた預入期間の中から自分に合ったものを選びます。

大口定期預金

1,000万円以上1円単位で預け入れができる定期預金です。

預入期間は大口定期預金とほぼ同じです。

以上に加え、「引出自由形複利定期預金」など、金融機関指定の定期預金が対象となっているケースもあります。

千葉興業銀行では5年以上の定期預金に金利のアップがあった(画像提供元:千葉興業銀行)

大口・スーパー定期預金の預入期間には2つのタイプがあります。

  1. 預入時に1か月~10年の間で預入期間を定める「定型タイプ

  2. 預入後1か月から10年未満の期間中自分で満期日を決められる期日指定タイプ

定期預金口座のお金を使う時期が決まっている場合は「定型タイプ」、未定の場合は「期日指定タイプ」を選ぶのが無難ですが、そこはご自身の状況に応じて柔軟に決めていただければOKです。

2つのタイプから自分に合った方を選ぼう

注意!現在定期預金口座に預けているお金には引き上げ前の金利が適用される

ところで、現在すでにスーパー定期預金や大口定期預金に預け入れている場合の金利については注意すべき点があります。

現在預入中の定期預金の満期が来るまでは、引き上げ前の金利(一般的には0.002%)が適用されるのです。

そう聞くと、「中途解約して預け直した方が得だろうか?」と思うかもしれませんが、満期の時期によって中途解約の判断は分かれます

満期が近い場合は、中途解約をせず満期まで待った方が多くの利息を得られて得です。

また、満期後に定期預金への預け入れを自動で継続する場合は、継続した時点で自動的に引き上げ後の金利が適用されるので、特に何もする必要はありません。

一方「先日預入を行ったばかり」「自動継続したばかり」などのケースでは、中途解約して引き上げ後の金利で預け直した方が得になる可能性が高いでしょう。

その点について判断に迷った場合は、金融機関の窓口やカスタマーサービス、それが心配なら中立的な立場のFPに相談するのがおすすめです。

金融のプロの視点からより自分に合った選択につながる適切なアドバイスを受けられ、後悔しない選択ができるでしょう。

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