このたび、自宅マンションの住宅ローンが完済できました。
最後に、手続きがひとつあります。
抵当権抹消登記申請です。
司法書士に依頼すると、1万5,000円程度費用が掛かります。
自分で手続きをして節約(登記手数料は必要)することにしました。
抵当権抹消登記とは
住宅ローンを組むにあたっては、保証会社が付くのが一般的です。
保証会社に対して、抵当権を設定することが求められます。
さて、無事に住宅ローンを完済しても、抵当権の登記は残ったままです。
もう債務がない以上、抵当権を実行されることはあり得ません。
それでも登記をそのままにしておいてはいけません。
抵当権の登記が残ったままだと、売却や相続に支障があるためです。
このため抵当権を抹消する手続きをします。
所有者が権利として行うものであり、申請期限はありません。
住宅ローンを完済したら金融機関から必要書類が送られてくるので、これを申請書とともに所轄の法務局に提出すればOKです。
難しい手続きではないものの、自分でできるか不安になる方、あるいは単に面倒と感じる方も多いでしょう。
抵当権抹消登記を申請してみた
実際に法務局で申請してみました。
手順とポイントをご案内します。
必要書類
ローンを組んでいた銀行から、書類が送られてきました。
この前の手順として、銀行からのアンケートに
「自分自身で抹消登記手続きをする」
ことを回答しています。
銀行の紹介する司法書士に頼めば、ワンストップで手続きしてもらえて簡単です。
送付されてきた書類は次のものでした。
- 抵当権設定契約証書
- 委任状
- 登記識別情報通知
登記申請に必要な書類のみ送られてきます。
事例によっては「登記原因証明情報」や「追加担保契約書類」などが併せて送られてくる場合もあります。
抵当権設定契約証書は、住宅ローン締結時の書類です。
委任状は、保証会社(手続義務者)が今回の抹消登記手続権利者である当方に、手続一切を委任するものです。
申請書の入手
登記申請書は法務局のサイトからダウンロードできますが、気になることがあって直接行ってみることにしました。
法務局では、相談するにも予約が必要と書かれています。
そのあたりの確認も含めてです。
所轄の法務局に行ってみると、特に予約などなくても、書類を持参すれば受け付けてもらえるとのことでした。
登記申請書をもらう際に尋ねられたのは、次の点でした。
- マンションか、戸建てか
- 住所は変更していないか
住所変更の有無を尋ねられたのは、抵当権設定時の住所と現住所が違う場合、別途手続きが必要となるためです。
こちらからひとつ尋ねたかったのが、私はマンションの名義人ではないことです。
抵当権者のひとりではあるので、代理人ではなく本人として手続きできるはずとは思いましたが、確認したのです。これはその通りでした。
申請書の記入
この日は申請書だけもらうつもりでいましたが、午後3時頃に帰宅し、法務局が5時までやっていることを思い出して早速書類を作ることにしました。
登記申請書の、次の箇所を埋めます。
- 権利者(私)
- 義務者(保証会社)
- 不動産の表示
「不動産の表示」の必要情報は多岐に渡りますが、すべて銀行から届いた書類に書かれているので、丸写しします。
印鑑は認め印でよし
印鑑をどうすればいいかが、銀行の送付書類の案内や、役所の手引きには明確に書かれていません。
司法書士のサイトも調べ、実印でなく認印で良いことを確認しました。
正確にいえば、訂正用の捨印および、割印として必要なものです。
役所でもらった手引きをよく読むと、手数料を収入印紙で納める方法が書かれていました。
わかりやすく表記します。
- 申請書にもう1枚、白紙をホチキス留めする
- 白紙に収入印紙を貼る
- 申請書と、収入印紙を貼った紙との間に割印を捺印
- 収入印紙に割印など捺さないこと
行政に提出する割印をどう捺すべきかは、ある種「作法」めいた部分があります。
ホチキス留めを上下2か所(3か所でもいい)にして、ホチキス部分を折り返し、折り返した部分に捺印しています。
それから、2枚それぞれの上部に捨て印を捺しています。特になにも言われませんでした。
収入印紙はセブン-イレブンで
やや余談ですが、収入印紙を購入する際にも、少しでもキャッシュレスの還元を得たいものです。
セブン-イレブンなら、nanacoで買えます。
セブン・カードプラスからnanacoにチャージし、収入印紙をnanacoで購入しました。
コンビニで買える収入印紙は200円のものだけです。
収入印紙はnanacoで購入してもポイントは付きませんが、チャージ時の0.5%はクレジットカードとして付きます。
ちなみに法務局の閉庁時刻が気になりセブンにしましたが、郵便局で買うのがベストだと思いました。
ただ後で調べたら、郵便局では切手はキャッシュレス決済できても、印紙はできません(現金のみ)。
収入印紙を貼り付けてから、再度出かけます。
提出
2度目の法務局に書類を持っていきました。
書類は念のためスキャンして保存しています。
受付時は、中身について審査をするわけではありません。
ただ、形式的な不備については指摘してもらい、すぐ直しました。以下、誤りです。
- 必要な収入印紙は、1,000円ではなく2,000円(土地と建物2件の手続きのため)
- 銀行の送ってきた委任状の、委任欄に代理人(私)の住所氏名を書いて埋める
- 登記申請書の「申請人兼義務者代理人」の欄に、申請人(私)の住所氏名を書いて埋める
最後のものは単純な不注意ですが、その場ですぐに書きました。
そして法務局内の売店で、収入印紙を1,000円買って追加で貼りました。もちろん現金オンリーです。
今後の手続き
書類の性質上、不受理になるようなものではありません。不備があるとしても補正で済むはずです。
今後、補正のための電話がなければ、2週間強後に手続完了します。
登記完了証等を受理しに再度行かねばなりません。
今回の抹消登記の場合、必要な書類は認め印だけでOKとのことです。
自分でやってみてよかった
抵当権抹消登記申請は格別難しいものではありません。
届いた書類を元に、書類を書くだけです。
1万5,000円得した気分です。ポイ活と考えると大きな額だと思います。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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