クレジットカードのタッチ決済が幅を利かせるようになり、カード現物でのタッチだけでなくApple Pay、QUICPayにも対応している例が増えました。
タッチ決済と機能が共通する、ポストペイ型電子マネーのiD、それからQUICPayはキャッシュレス界でやや肩身が狭くなった印象です。
iDとQUICPayのまだ残っているお得な使い方を紹介し、そして現状を説明します。
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iD、QUICPayの有利な使い方
iDとQUICPayは、カード直接決済と結果がほぼ同一です。
そうなれば、タッチ決済が普及してきた今、勢いが落ちても仕方ないかもしれません。
まだ若干残っている、有利な使い方を先に取り上げます。
有利な使い方の共通項は、次のとおりです。
・ 決済自体にプレミアがある
・ クレジットカードの個性を最大限に伸ばすことができる
セゾンパール&QUICPay
年会費実質無料(年一度の利用で無料)のクレジットカード、セゾンパール・アメックスの最大の売り物がQUICPayです。
「年間30万円の決済まで」という縛りが生まれましたが、QUICPayにセゾンパールをセットすると、還元率2.0%です。
年間30万円使うと、還元額が実に6,000円にもなります。
Orico Card THE POINT PREMIUM GOLDならポイント0.5%加算あり
オリコのラインナップに、Orico Card THE POINT PREMIUM GOLDという年会費1,986円のカードがあります。
このカードの券面に搭載されていたiD、QUICPayが消滅し、タッチ決済になったことが現況を象徴しています。
ただ、Apple PayまたはGoogle Payで引き続きiD、QUICPayは使えます。
そして、従前からあったポイント0.5%の上乗せは、まだ健在です。
さらに上級カード、Orico Card THE GOLD PRIMEにも同様の上乗せがあり、こちらはまだ券面にiD、QUICPayがW搭載されています。
三井住友バーチャルカード&iD
三井住友カードの利用でためたVポイントは、Apple PayまたはGoogle Payで買い物に利用できます。
VポイントアプリでVポイントのバーチャルカードが発行できるため、これをApple PayまたはGoogle Payに設定すればいいわけです。
入会キャンペーン等でもらったポイントギフトがある場合、この方法でないと利用できません。
このバーチャルカードはタッチ決済に設定もできますが、三井住友カード本体をタッチ決済で使いたい(ポイント7%以上の特約店が多い)ため、バーチャルカードはiDに設定したほうが、使い分けができて便利です。
三井住友銀行一体型のOliveの場合、「ポイント利用モード」に切り替えることでポイント決済ができます。
ただOliveユーザーである筆者の個人的な意見ですが、少額をiDで決済できるバーチャルカードのほうが便利と感じています。
Visa LINE Payプリペイドカード
Visa LINE Payプリペイドカードは、事前に現金または銀行口座からチャージして使うカードです。
クレジットカードではありません。2.0%という高い還元率が売り物です。
月5,000ポイントまでという付与上限がありますが、決済で言うと25万円なので気にしなくていいでしょう。
バーチャルカードのため、Apple PayまたはGoogle Payにセットしないと実店舗で決済できません。
なお、オンライン決済ではポイントが付かなくなっているため、最初から使わないようにしましょう。
タッチ決済も選べますが、タッチ決済については三井住友カードが圧倒的に便利なため、Visa LINE PayプリペイドカードをiDにセットするのをおすすめします。
iDとQUICPayのおさらい
iD、QUICPayは電子マネーです。
チャージ式(交通系、nanaco、WAON、楽天Edy)と異なり、電子マネーであるという認識の乏しい方も多いかもしれません。
iDとQUICPayは、紐づけたクレジットカードで決済するタイプなので、確かに電子マネーというより、クレジットカード決済のための補助アイテムと考えたほうが実態に近いでしょう。
Apple PayやGoogle PayではクレジットカードによってiD、QUICPayどちらかに振り分けられるため、この2種類のどちらを選択するかというシーンはほぼありません。
積極的に選んで使う決済ではないため、埋没しかけているのは自然な減少と感じます。
iD、QUICPayの特徴
iD、QUICPayの特徴です。
・ 決済選択について独自のメリットが少ない
・ 現在ではスマホ決済が主流(スマホでタッチ決済設定ができないカードでも、iD、QUICPayがあるために疑似スマホタッチ決済として使える)
・ iDが比較的どこでも通用するのに対し、QUICPayは使えないお店が若干ある
・ iDはドコモと三井住友カード系列、QUICPayはJCB系列
・ 日本独自規格(Felica)のため、海外では使えない
三井住友カードはiDの開発元ですが、現在タッチ決済に注力しているため、iDは粗末にされがちです。
いっぽう共同開発者のドコモは、まだ強化策を図っているイメージです。
キャンペーン等
なにしろiDとQUICPayは一部例外を除き、決済選択に伴う金銭的メリット(ポイント、値引き等)の少ない電子マネーです。
使ってもらうため、独自のキャンペーンを提供しています。
こちらを紹介します。
dカードで山分けキャンペーン「dトク祭」実施中
毎月実施のdカードのキャンペーンです。毎月エントリーが必要です。
次の3種類の決済のうち2種類を使うと、200ポイントを上限にして1億円分の山分けが行われます。
・ dカード
・ d払い
・ dカードを支払元にしたiD
dカードを設定したd払いを使えば済んでしまうので、iDはさほど重要ではありません。
9のつく日は全額キャッシュバック
通年開催中のQUICPayのキャンペーンで、2024年も開催されるかもしれません。
QUICPayを毎月「9の日」に使うと、毎月1,000名に「全額キャッシュバック」が当たります。
2人に1人当たる1,000円分プレゼント(三菱UFJニコス)
三菱UFJニコス会員のためのキャンペーンです(要エントリー)。
始めてQUICPayを使うと、2人に1人、抽選で1,000円分の電子ギフトをもらえます。
リロクラブのクーポン
QUICPayユーザーのために、リロクラブがクーポンを提供しています(2024年3月まで)。
さまざまなお店で値引きが受けられるので、必ずチェックしましょう。
他のサイトでも発行されているクーポンではあるものの、まとまっていて使いやすい印象です。
参照:QUICPayクーポン
iD、QUICPayもたまには確認しましょう
タッチ決済に押され気味のiD、QUICPayについて見てきました。
性質的にタッチ決済に食われるのは仕方ないですが、別に使って損をする性質の決済ではありません。
なので、たまにはお得情報をチェックしてもいいでしょう。
数少ないポイント上乗せ等になる決済では、積極的に使いましょう。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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