2023年9月1日~9月3日まで、インテックス大阪において「第4回資産運用EXPO 関西」が開催されました。
個人投資家向けの120社の出展ブースだけでなく合計70本のセミナーも開催されました。
日本証券業協会 金融・証券インストラクターの講師の方が、話題になっているNISAについて講演した内容を紹介します。
注目ポイント
・2024年からの新NISA制度
・現在のNISA制度の注意点
・うまい言葉にご用心
新NISAについて
NISA制度は「少額」の「投資」が「非課税」になる制度です。
通常は株式や株式投資信託の収益には20.315%の所得税・住民税が課税されますが、このNISA制度を使うことで収益に対する所得税や住民税が非課税となります。
NISA制度を使うことで、手元に残る収益が約20%も多くなります。
NISA制度の対象となる金融商品は、「株式」の譲渡益・配当金、「株式投資信託」の収益分配金・途中換金(償還時)による利益が対象です。
現行のNISA制度(2023年まで)は、一般NISAとつみたてNISAのどちらかのみの選択となります。
現行のNISA・新NISAともに日本に住む成人(18歳以上)が口座を開設できますが、NISA口座は、一人につき一つの証券会社・銀行等でしか申込・開設できません。
つみたてNISAは、定期かつ継続的に一定金額で購入する(つみ立てる)制度です。
つみたてNISAの対象商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の商品性を有するものだけが対象となっています。
具体的には、販売手数料が無料(ノーロード)、保有時の管理手数料(信託報酬)が一定水準以下の投資信託です。
【一般NISAの対象商品<図表1>】
【2024年からの新しいNISA(予定)<図表2>】
成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能、期間も無制限になり恒久的に毎年投資することが可能になります。
年間投資枠も現行NISA制度よりも増額されます。
1,800万円の非課税保有限度額といった複数年にわたる投資額にも上限が設定されます。
この設定額は時価ではなく購入した金額の合計額です。
新NISAで購入した金融商品を売却した場合、翌年に購入した金額分だけが非課税保有限度額より差し引かれます。
現在のNISA制度の注意点
現行NISAは今年で終了し、来年は新しい別のNISA制度が開始されます。
現行NISAで今年投資された商品は新しい制度とは別に、現行の取り扱いを継続することになります。
非課税期間(一般NISA5年、つみたてNISA20年)が終了すると新NISAへ移し替えではなく、課税口座へ移管することになります。
来年以降、現行NISAでの新規購入はできません。
今年、現行NISAで購入する金融商品は出口(売る)戦略を考えた上で、投資を行う必要があり、現行NISA制度での注意点です。
現行NISA、新NISAともに銀行または証券会社にて取引口座の開設を行った上でNISA口座を開設します。
銀行と証券会社で購入できる金融商品が異なるため、比較検討しましょう。
2023年中に現行NISA口座を開設している場合には、新NISA口座は自動開設されます。
証券会社を変更する場合は、早めに手続きをしなければ来年からの新NISAに間に合いませんので注意が必要です。
投資詐欺には注意が必要
金融商品にはハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンに関係があります。
利回りの標準は3~5%です。
ローリスク・ハイリターンの金融商品はございませんので、うまい言葉(投資詐欺)にはご用心です。
例えば、利回り10%以上となると疑う必要があります。
投資詐欺の特徴として、「1人で悩むことが多く、かつ周りに相談させない」ことが特徴です。
周りに相談することや「消費者ホットライン」「株や社債をかたった投資詐欺 被害防止コールセンター」に相談してください。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)
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