上がらない実質賃金から、漠然と大きくなる老後不安。
そんな時代だからか、投資の門を叩く人も増えています。
投資と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのが、株式投資ではないでしょうか。
ちょうど来年から新NISAが始まるタイミング、株式投資の勉強をしている人も多いと思います。
今回は株式投資1年生が知っておきたいことについて、解説したいと思います。
1. 個別株投資は適当にやっても勝てない
何となく人気株へ投資しがちなのが投資1年生。
ですが、この方法では勝つことはできません。
実際に自分が投資をした銘柄について
- この銘柄は大丈夫
- 自分だけは大丈夫
- インフルエンサーが推奨していたから大丈夫
などの根拠のない過信が生まれがちですが、もちろんそんなことはありません。
投資の世界では、機関投資家などプロの投資家と戦う必要があります。
初心者だからといって、相手が手を抜いてくれるはずもありません。
片手間で少し分析した程度、もしくはインフルエンサーが推奨していた程度の理由で勝ち続けられるはずがありません。
インフルエンサーも、所詮はポジショントークで推奨していることがほとんどです。
初心者が買った時は既に高値、売り抜けていることがほとんどでしょう。
個別株投資で勝てるのは、ほんのひと握りの強運の持ち主だけ。
中途半端に手を出さないことをおすすめします。
2. 投資1年生はインデックス投資で十分
残念ながら私たち一般投資家には、特別な投資のセンスはありませんし、持てる時間の全てを銘柄分析に充てることもできません。
仮に十分な時間を銘柄分析に充てることができたとしても、そのとおりに株価が動く保証はどこにもありません。
SNSなどでプロの銘柄分析や株価予想を目にすることもありますが、結局外れることが多々あります。
つまり投資については、先のことは誰にもわからないということです。
どんなに経験があっても、どんなに知識があっても、将来の株価を当てることは不可能なのです。
であれば、我々にできるベストな選択肢は、過去の先人達が築いた1番勝率の高い投資手法に委ねることだと考えます。
投資の名著として名高い「ウォール街のランダムウォーカー」や「敗者のゲーム」などでもうたわれているとおり、幅広く分散された銘柄に投資する、つまり指数丸ごとへ投資する手法が1番合理的でしょう。
現在であれば、手数料の安いインデックスファンドが多数世に出ています。
そういったインデックスファンドを活用し、なおかつ毎月コツコツと積立投資をする(時間分散する)ことが再現性高く勝つことができる投資でしょう。
さらにNISA口座やiDeCoを使うことで非課税で投資することができます。
「非課税口座でインデックスファンドへ積立投資」
これを継続することができれば十分です。
3. 結局のところ王道が最強
投資1年生が実践するべき投資は、インデックス投資だということは先にも解説しました。
実はこの最初に実践するべきインデックス投資こそが投資の王道、最強の手法なのです。
次にするべきことは、いかに投資金額を大きくできるかです。
人気の米国株式や全世界株式インデックスファンドの利回りは、おおかた5%程度といわれています。
もちろん年によって大きく変動はありますが、長く続ければこれくらいに収束するだろうと考えられているのですが、ここで差が出るのが投資元本です。
投資元本が大きくなれば、当然のことながら得られる利益も大きくなります。
「支出を下げて収入を増やし、投資に回す金額を大きくする」
ここを意識することが大切です。
インデックス投資は地味でつまらない投資です。
もちろん一攫千金などあり得ません。
時には甘い誘惑(個別株投資やレバレッジ投資、FXなど)に心が動くことがあるかもしれません。
ですが結局再現性、勝率の高い投資はインデックス投資です。
長期で勝つためにはこのインデックス投資を外さないことが重要です。
王道こそが最強なのです。
投資に慣れてきたらコア・サテライト戦略の実践もアリ
インデックス投資を実践し、値動きに慣れてきた頃、さらに利益を増やしたい気持ちになることも少なくありません。
この場合、コア・サテライト戦略をとるのも良いでしょう。
コア・サテライト戦略とは、コア(中核)で安定的なリターンを狙い、サテライトでより高リターン(ハイリスク)を取りにいく手法です。
コアが守りの資産、サテライトが攻めの資産ともいわれます。
コアでインデックスファンドへ投資しつつ、サテライトで個別株投資やアクティブファンド、暗号資産などに投資するイメージです。
インデックス投資のみと比較してプラスαのリターンを狙いにいく投資スタイルですが、コア・サテライトの割合に注意が必要です。
コア部分に重点を置き全体の80%程度、サテライト部分は多くても20%程度にしておくことをおすすめします。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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