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加給年金と就労調整の「落とし穴」とは? 将来的に損をするリスクのある誤った考え方例を解説


年金版の「扶養手当」と言われるものに「加給年金」があります。

加給年金は、2階建て年金制度の厚生年金に整備されている制度です。

「もらえないよりはもらえるほうがよい」と考えられることが多い加給年金ですが、誤った考え方をしてしまうと、家族単位では損失が生じてしまうこともあります。

今回は加給年金の誤った考え方について解説します。

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加給年金とは

まず、加給年金とは、2階建て年金制度の厚生年金から支給される(原則として65歳からの)「老齢厚生年金」を受給する場合に、次の要件を満たすことであわせて支給されるものです。

なお、要件は以下の通りです。

(1) 老齢厚生年金の年金額の計算の基礎となる被保険者期間が240月以上

(2) 老齢厚生年金を受給する方が受給権を取得した当時、その者によって生計を維持していた扶養親族がいること

(2) 扶養親族とは、「65歳未満の配偶者」、「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか又は20歳未満で障害等級の1級もしくは2級の状態にある子」です。

また、受給権取得当時の被保険者期間の月数が240月未満である場合は、240月以上となるに至った当時となります。

誤った考え方

例えばとある夫婦で夫が年上、子供は既に成人しているという家庭を例にとります。

加給年金の対象となる「65歳未満の配偶者」(この場合は妻にあたる)が20年以上厚生年金に加入しており老齢厚生年金を受け取っている場合、夫は加給年金を受給することはできません

考え方として、生計維持関係にある配偶者と言えども、20年以上厚生年金に加入した分の年金を受け取っているということは、一定額以上の年金を受給していると考えられるため、加給年金の対象から除かれるという理由です。

そこで、妻はあえて「19年11か月」で厚生年金の資格喪失をすることで夫は加給年金を受ける権利を残すことができると考えられたのでしょう。

もちろん、制度上はこの考え方であれば(他の要件も満たす必要はありますが)夫の加給年金の受給は現実的に可能と思われますが、わが国の平均余命と老後の年金についても着目する必要があります。

平均寿命

統計上は女性の方が長生きするために、妻の就労調整(厚生年金の加入期間が20年に達しないように)をすることは妻自身の老齢厚生年金が低額になることを意味し、夫が他界した後の生活が苦しくなるのではと考えられます。

もちろん夫が他界した後は夫が遺してくれた遺族厚生年金の受給もあるのでしょうが、65歳以降はまずは自身の老齢厚生年金を優先的に受給し、その差額として遺族厚生年金を受給するように法改正されています。

そして、夫他界後は自身の老齢厚生が主たる収入源となることを考えると、可能な限り現役時代に厚生年金に加入しておき、自身の老齢厚生年金を増額させておくことのメリットは無視できません。

また、加給年金はいわゆる年の差婚であればメリットの大きさは無視できませんが、あまり年齢差がない夫婦の場合は、制度上、年下の配偶者が65歳に到達すると加給年金は終了し、年下の配偶者へ「振替加算」として老齢基礎年金に反映されますが、就労調整することによって将来的に発生するデメリットの方が大きくなる可能性があります。

また、振替加算は昭和41年4月2日以後生まれの方は受給する資格がありません

短期的なメリットだけでなく、長期的なデメリットにも着目しよう

この事例は、年金制度をよく勉強している方が考えられているケースとして、多く見受けられますが、短期的なメリットだけでなく長期的なデメリットも把握したうえで判断をくだす必要があります。

特に医療の進歩により平均余命は延びる傾向にあり、「今」と「自分自身」だけに目を向けるのではなく、「将来」と「配偶者」にも目を向けておくことが重要です。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)

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