“魂のピアニスト”と呼ばれ、1999年（平11）のデビューCD「奇蹟のカンパネラ」が大ヒットした、ピアニストのフジコ・ヘミングさん（本名ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ）が4月21日、膵臓（すいぞう）がんで亡くなった。92歳だった。2日に一般財団法人フジコ・ヘミング財団が発表した。
フジコ・ヘミングさんの新作ドキュメンタリー映画「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」が、10月18日に全国で公開を控えていた。同作の公式サイト、SNSは訃報が発表された2日に、追悼のコメントを発表。「この度のフジコ・ヘミング様のご逝去の報に接し、ご生前のお姿をお偲びし、悲しみにたえません。謹んでお悔やみを申し上げるとともに、ご冥福を心からお祈り致します。」と、その死を悼んだ。
「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」は、フジコ・ヘミングさんを2年間にわたって撮影し素顔に迫った、18年公開の初のドキュメンタリー映画「フジコ・ヘミングの時間」以来となるドキュメンタリー映画。撮影は20年から4年間かけて行われ、世界中が止まったコロナ禍、そして少女時代に経験した戦時下においても、自らが愛すべき音楽に向き合ってきたフジコ・ヘミングさんの姿を記録した。4Kカメラで撮ったダイナミックな演奏シーンをふんだんに盛り込み、パリ9区にあるコンセルヴァトワール劇場での演奏の様子や、フジコ・ヘミングさんのサンタモニカの邸宅の様子などが初公開される。
