先週は、週足のローソク足を見ると、実体が小さめで上髭下髭が同じくらいの長さで、きれいなコマの形で終えました。
コマのローソク足は迷いのローソク足と言われ、上に行くのか下に行くのか迷っているという意味です。
世界を見てみると、FOMC前には買い控えられ、FOMCでは、市場予想通り0.75%の利上げとしましたが、パウエル議長の発言は、今後はインフレや経済への影響を評価して、利上げペースを考えるとして、米株は大きく上昇しました。
これによって日経平均株価も大きく上昇する流れかと思えば、中国経済の悪化により、香港市場の急落を受けて日経平均株価も上値の重い展開で、週末入りとなっています。
為替相場も大きく動いていて、先週は137円台から132円台まで一気に円高が進みました。
米GDPが2四半期連続のマイナス成長となったことで、通常2期連続のマイナスとなるとリセッションと言われますが、これを技術的景気後退=テクニカルリセッションという言い方をして、景気後退には陥っていないとしています。
これをどう捉えていくかは、全て株価に現れてきますので、下げに転じる場面では十分に警戒していきましょう。
7月第3週の海外投資家動向は現物1919億円の買い越しで、先物は6915億円の買い越し、合計8835億円の買い越しとなりました。
【今週の日経平均を考える】7月8日ETF分配金捻出売りに警戒
チャート分析
チャートを細かく見ていきましょう。
日足の移動平均線
5日線は、上向きで推移していましたが、火曜日に株価が5日線の下に入り、5日線は横向きに変化、そして金曜日には下向きへと変化しています。
株価は木曜日と金曜日は5日線の上を推移しました。
25日線は、9日前から上向きです。
75日線は、横向きから若干上向になっての週末入りです。28日木曜日に25日線が下からクロスして75日線とのゴールデンクロスをしています。
並び順は5日25日75日の並び順で、安定上昇となっています。
機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、2万7561円処を推移しています。
下向きだった移動平均線が徐々に横向きとなり、28日と29日は200日線の上を株価が推移しました。
トレンドライン
大きなBOXラインの上限を目指して上昇中の株価ではありましたが、2万8000円の節目が超えられない大きな上値抵抗帯として機能していました。
その上にはBOX上限の窓として意識される6月9日10日の窓があり、2万8189円で窓埋め完成です。
下として意識されるところは、7月19日20日に開けた窓です。
窓埋めとなると、2万7000円までの下げが意識されるところです。上下どちらにも窓がある為、この窓埋めが意識されます。
一目均衡表
遅行線が下向きになったことが気になるところですが、現状は上へ向かう障害物がないため、加速して上値追いできる環境下です。
基準線は、このまま株価が2万8000円処を超えてこない限りは横向きで推移していき、転換線も同様に2万8000円処を株価が超えてこないと横向きに変化します。
今週中に2万8000円を超えて、更なる上昇とするのか、超えられずに横ばいの意識を強くするか注視です。
次回の雲のねじれは8月31日です。
ボリンジャーバンド
+1σと+2σの間を推移しています。
TPラインも上向きで、全てのバンドが上向きとなっていて、上昇トレンド中を示しています。
今週も+1σと+2σの間を推移していくのか注目です。
スローストキャスト
買われすぎゾーンに達してから9営業日が経過しています。
買われすぎゾーンに達してから、だいたい11日で買われすぎゾーンから下へ向かう日数として意識されるところなので、今週中に変われ過ぎゾーンを脱して下へ向かうのか確認していきましょう。
MACD
0ラインをこえて、上昇トレンドとしています。ヒストグラムが弱くなってきています。
このまま株価が下へ向かえばヒストグラムが陰転してくる場面です。
MACDは0ラインまでの乖離があるので、今週も引き続き上昇トレンド継続としていけそうです。
シグナルとクロスして下へ向きを変えた場合には、トレンド転換と押し目を意識していきたいです。
月の満ち欠けですが、次回の満月は8月12日です。
総合判断
引き続き2万8000円を超えられるのかに注目していきたいです。
昔から海外投資家の中では、200日線が横向きか上向きの時に株価が200日線を超えてから株を買おうと言われています。
長期目線の買いシグナルとして意識されていることなので、この200日線が横向きとなり、その200日線を株価が超えてきたことで、上への意識が高まるところです。
しかし、米GDPマイナス成長のリセッション入りという部分にも意識を持ち、今は上昇トレンド中の株価が上昇したのち、一気に梯子を外されるという警戒をもっていくことも必要な危うい世界経済状況です。
上下への一方通行な意識を持つことなくトレンドにしっかり対応していきながら、この8月もしっかり乗り越えていきましょう。(執筆者:城 晶子)