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こんな文豪はイヤだ——?!~変わる時代と変わらないヲタクたち~【Book】


ああ、ついに年号が変わってしまった。
まさか生きているうちに新時代の幕開けをこの身で体験することになろうとは・・・。

平成生まれ、平成育ちの筆者としては、まさに「有為転変」。
物心付いたころから「何歳?平成生まれ?何年??・・・若いね~つい最近じゃない!」と言われ続けているうちに、いつの間にか常に時代の最先端を生きているのだと思い込んでいたようで、平成が終わることに少なからずショックを受けたことをここに告白しよう。

とまあこんな感じにノスタルジーに浸ってはいるが、時代が変わったくらいでは自分の環境はそう大きく変わらない。
そう、どんなに時代が移り変わろうとも私がヲタクであることに変わりはないのだ!!!(ドン!!)
そして、思い返せば平成こそ「ヲタク」文化の幕開け—黎明期—であったといえるのではないだろうか?!?(ドドン!!!)

そもそもヲタクとはなんなのか。
さまざまな定義があるとは思うが、簡単にまとめてしまうと「何か」に自分の持ちうるほぼすべてと言っても過言ではないほどの熱量(とマネー)を注ぎ込める人間のことを指すのだろう。
今でこそヲタクに理解を示す人が増え、私たちも随分と生きやすくなってはいるが(それもこれも古のヲタクたちの涙ぐましい努力と奮闘によるものであるが)、未だにヲタクに対する偏見や世間の冷ややかな目はなくならない。

そりゃ、確かに一般の人からすれば理解の範疇を超えた“異質”として見えるのかもしれない。しかし、だからといってヲタクすべてが猟奇殺人や通り魔になりうる予備軍のように一括りにされたり、所謂「キモヲタ」などのような差別的用語で語られるのはなんだか癪に障る。
私たちはちょっと人より愛するものに夢中になりすぎて、ちょーっとだけ気持ち悪くなるだけなのに!!!!!(全国のヲタクに謝れ)

ここまで散々“平成こそがヲタクの時代だ!”とも取れるような内容の話をしてはいるが、実は今よりはるか昔にもヲタクはいた。

日本最古の長編小説「源氏物語」の著者であるかの才女・紫式部も、現代的に言ってみれば恐ろしく長い同人誌を書き上げた歴女であるし(紫式部さん、ごめんなさい!バカにしているのではなく、心より尊敬しているのです・・!本当です。納言さんよりファンです・・・!)、天才音楽家で誰もが知っているモーツァルトなども、どちらかというと変質者寄りの音楽ヲタクであると言えるのではないだろうか。
(気になった君は「モーツァルト 変態」で調べてみよう。個人的に『俺の尻をなめろ』は、この曲を制作するに至った所以を、彼本人に小一時間程度は問い詰めたいところだ)

なかでも、日本の明治時代を代表する有名な文豪たちは、まさに個性揃いのヲタクたち。
当時は文明開化により近代文学が急速に発展しているという背景もあって、崇め讃えられていたとして、もし彼らが現代に生きていたなら・・・はたして。

そんな“もしも”ワールドが、本コミックス『文豪失格』ではコミカルにテンポよく繰り広げられている。
メイドカフェに入っていく芥川龍之介に夏目漱石に、その他名のある面々たち。
BL本片手に語り合う?(物理)太宰治と川端康成、そして中原中也。

こんな文豪はイヤだ——!
・・・だけどちらっとだけ覗いてみたくなる。
どうせ妄想の中の世界だし、いろいろはっちゃけててもいいよね?というのは平成のヲタクの論である。

どの時代にもヲタクなる者は存在し、彼らの好きなものへの情熱には目を見張るものがある。(もちろんそれに伴う経済効果もすさまじい)

平成というひとつの時代が終わり、新しい時代「令和」が幕を開けたわけだが、この時代のヲタクたちは一体どういった社会現象を巻き起こしてくれるのだろうか。

(実業之日本社 販売マーケティング本部 王 佳那)

『文豪失格』 千船翔子 著 680+税 実業之日本社




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