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30日の香港市場概況:ハンセン2.2%高で続伸、アリババ6.4%上昇


30日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比578.62ポイント(2.18%)高の27147.11ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が213.76ポイント(2.05%)高の10662.93ポイントとそろって続伸した。ハンセン指数が終値で27000ポイントを回復するのは、今年2月21日以来となる。売買代金は1533億2100万香港ドルに拡大した(29日は1388億2000万香港ドル)。


中国の経済支援策に対する期待感が改めて強まる流れ。来年スタートする第14次5カ年計画(2021〜25年)の基本指針では、内需の拡大や科学技術の発展に重点を置く方針が示されている。「ニューエコノミー」関連に買い戻しが続いたことも投資家心理を上向かせた。ITやハイテクで構成されるハンセン科技指数は3.7%高と続伸し、他の主要指数をアウトパフォームしている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が6.4%高と大幅続伸。傘下のマ蟻集団(アント・グループ)が持ち株会社を設立し、その傘下に金融関連事業を組み入れる——との一部報道に関し、中国人民銀行(中央銀行)が29日夜、メディア取材で認めたことも材料視されている。金融事業を巡る不透明感がひとまず後退した。


そのほか、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が5.5%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)と飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)がそろって5.3%高と上げが目立っている。薬明生物技術は上場来高値を更新した。


セクター別では、自動車が高い。長城汽車(2333/HK)が9.4%、広州汽車集団(2238/HK)が3.8%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.6%、吉利汽車HD(175/HK)が2.5%ずつ上昇した。長城汽車は最高値を切り上げている。


食品飲料やスポーツ用品など消費セクターもしっかり。中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.6%高、統一企業中国HD(220/HK)が3.7%高、安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が3.9%高、李寧(2331/HK)が2.7%高で取引を終えた。蒙牛、安踏、李寧は最高値をそろって更新している。乳製品中国大手の蒙牛は29日、売上倍増を目指すとの5カ年目標を打ち出した。


天然ガス関連の銘柄も物色される。中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が4.6%高、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が4.5%高、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が3.1%高で引けた(新奥能源は新高値)。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.05%高の3414.45ポイントで取引を終了した。自動車株が高い。素材株やハイテク株、医薬品株、運輸株、発電株、防衛関連株なども買われた。

亜州リサーチ(株)


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