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11日の香港市場見通し:方向感を欠く展開か


11日の香港市場は、中国指標発表を前に方向感を欠く展開か。外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%高とそろって5日続伸した。NYダウは約1カ月ぶりの高値水準を回復している。「米金融当局は利上げを急がない」との見方が引き続き相場を支えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は10日の講演で、「海外景気の動向が懸念材料」と指摘し、利上げの一時停止を示唆している。米政府機関の一部閉鎖が長期化するとの不安感で指数はマイナス圏に沈む場面もみられたが、引けにかけて改めて買いの勢いが増した。

一方、10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.4%安と反落。人民元高の進行や、当局の景気テコ入れ期待などで買われる場面がみられたものの、上値は重く、引けにかけて再び売りに押されている。指数は前日に約3週ぶりの高値水準を回復していたこともあり、戻り待ちの売り圧力が意識された。企業業績の成長鈍化も警戒される。この日表された昨年12月の物価統計では、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)の伸びが前年同月比0.9%にとどまり、市場予想(1.6%)を大幅に下回った。ただ、企業業績の先行き不安は、景気テコ入れ期待につながる側面もあり、過度に悲観的な売りはみられていない。

こうしたなか、本日の香港市場は全体として方向感を欠く展開か。昨夜の米株高や中国の政策期待は引き続き支援材料だが、週明けに公表される昨年12月の中国経済指標が、気がかりだ(14日に貿易統計、15日までに金融統計)。


【亜州IR】




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