システムズD Research Memo(5):2026年3月期は増収増益。大規模案件の貢献と一過性費用剥落が寄与
■業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
システムズ・デザイン<3766>の2026年3月期の連結業績は、売上高9,993百万円(前期比4.0%増)、営業利益595百万円(同31.1%増)、経常利益604百万円(同26.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益393百万円(同32.1%増)と大幅な増収増益となった。アウトソーシング事業の売上高は微増だったものの、システム開発事業において、2025年3月期に受注した大規模案件の寄与が継続した。既存取引先からの請負案件の増加、ローコード開発ツールによる高利益案件が業績に寄与した。さらに、システム開発事業において子会社の業績が順調に推移したこともあり、全社においては過去最高となる売上高及び営業利益を達成した。
損益面については、ローコード開発ツール等による高利益案件の受注などにより売上総利益率は22.6%と前期を0.2ポイント上回った。一方、前期に発生した人的資本への先行投資の負担増や本社移転費用などの一過性費用が減少したほか、各セグメントにおける業務効率化の進展などにより、販管費は同2.0%減の1,659百万円に抑えられた。売上総利益の増加と販管費の減少が相まった結果、各段階利益が大幅に増加した。なお、営業外費用に計上された貸倒引当金繰入額25百万円は、協業先への貸付期間延長に伴う一部引き当て対応によるものである。そのため、債権の回収面において特段の不透明感が生じたわけではない。
セグメント別業績では、システム開発事業が、売上高5,615百万円(前期比6.8%増)、営業利益454百万円(同36.9%増)となった。2025年3月期に受注した同社史上最大規模の開発案件の継続及び既存取引先からの請負案件の増加に加え、ローコード開発ツールを用いた高利益案件の受注が寄与し、子会社の業績も順調に推移した。特に貢献度の高かった大規模開発案件は、情報通信業の顧客によるデータセンター内の各種手続き効率化に関するものである。同案件の獲得を契機に、当該顧客から別案件を受注したほか、2026年1月にリリースしたPM(プロジェクトマネージャー)向けの「プロジェクト運営力育成サービス」にもそのノウハウが活かされるなど、派生的な好影響をもたらしている。なお、子会社のシェアードシステムについては、2026年3月期の売上高が前期比で約200百万円増の776百万円となった。これは大口顧客からの一時的な物販需要がトップラインを押し上げたことによるものである。
また、ソリューションビジネス拡充の一環として、2025年8月にはIoTベンチャーであるテクサーと資本業務提携を締結した。両社は展示会運営及び営業活動を革新するAI統合ソリューション「AiMeet AI Insight」を共同開発し、新たなビジネスモデル構築に向けた布石を打っている。特に展示会後のフォローアップメール送信作業など、煩雑な実務の効率化が図れる点において、利用者からの反響も良好であるようだ。
アウトソーシング事業の業績は、売上高4,378百万円(前期比0.6%増)、営業利益141百万円(同15.6%増)となった。同事業に属する子会社のアイカムは、一部顧客が内製化を進めた影響を受けたものの、他案件でカバーしたことにより、2026年3月期の売上高は前期比微減の2,025百万円にとどまった。同じく子会社のフォーはIDカードの受託発行を手掛けており、特段大きな変化はなく、2026年3月期の売上高は前期比微増の332百万円であった。結果として子会社2社の業績貢献が乏しく、売上高全体としては伸び悩んだものの、オンサイトビジネスの強化などに継続して取り組んだ。
一方、利益面では、長期受注案件を中心に業務ワークフローの見直しを含めたデジタイゼーションを推進し、業務効率化を図ったことが2ケタ増益確保の大きな要因となった。そのほか、一部人材の雇用形態の転換や、データエントリー及びコールセンター部隊の増強を地方へシフトしたことなども利益貢献につながった。
2. 財務状況と経営指標
(1) 連結貸借対照表
2026年3月期末における資産合計は6,882百万円と、前期末比487百万円の増加となった。流動資産は224百万円の増加となったが、これは主に現金及び預金の増加353百万円、受取手形及び売掛金等の減少29百万円、短期貸付金の減少100百万円によるものである。固定資産は263百万円の増加となったが、これは投資有価証券の増加124百万円、長期貸付金の増加100百万円、保険積立金の増加84百万円、のれんの減少44百万円によるものである。負債合計は2,066百万円となり、同288百万円の増加となった。流動負債は216百万円の増加となったが、これは主に未払法人税等の増加90百万円、その他に含まれる未払消費税の増加77百万円、賞与引当金の増加31百万円、受注損失引当金の増加17百万円によるものである。固定負債は72百万円の増加となったが、これは主に退職給付に係る負債の増加49百万円、役員株式報酬引当金の増加18百万円、リース債務の増加4百万円によるものである。純資産合計は4,815百万円となり、同199百万円の増加となった。これは主に利益剰余金の増加239百万円、退職給付に係る調整累計額の減少43百万円によるものである。財政状況に関しては、自己資本比率70.0%と前期末を2.2ポイント下回ったものの、健全な財政状況を維持している。また、流動比率においても353.1%と前期末を44.7ポイント下回ったものの、引き続き高い水準を維持している。
(2) 連結キャッシュ・フロー計算書
営業活動によるキャッシュ・フローは730百万円の収入(前期は122百万円の収入)となった。これは主に税金等調整前当期純利益604百万円、のれん償却額44百万円の収入、減価償却費38百万円の収入、仕入債務の増加額36百万円の収入、法人税等の支払144百万円によるものである。投資活動によるキャッシュ・フローは217百万円の支出(前期は271百万円の支出)となった。これは主に投資有価証券の取得119百万円による支出、保険積立金の積立による支出84百万円によるものである。財務活動によるキャッシュ・フローは159百万円の支出(前期は141百万円の支出)となったが、これは主に配当金の支払153百万円によるものである。この結果、現金及び現金同等物は353百万円増加した。引き続き無借金、かつ手元資金は成長投資の余力を十分に残している。運転資本も改善し、キャッシュ創出力が増したほか、のれんの残高も減少しており、総じて財務的余力が高まっていると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)
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