ナガイレーベ Research Memo(6):中期経営計画に沿って2028年8月期に営業利益47億円を目指す
■中長期の成長戦略
1. 中期経営計画
ナガイレーベン<7447>は中期経営計画について、足元の状況が為替を含めて変動しやすいことから、直近の業績を踏まえて毎期計画を見直し(ロールオーバー)ている。現在の中期経営計画の目標値としては2028年8月期に売上高195億円、営業利益47億円を掲げており、現時点でこの目標は変わっていない※。
※ 為替レート145円/米ドル(一定)を前提とする。以前の計画は140円/米ドル。
2. 今後の事業戦略
同社を取り巻く事業環境は、足元では為替の変動や国内物価の高騰などの影響を受けているものの、中長期的には追い風と言える。同社の決算説明会資料によれば、看護職員需要数は2024年度の169.8万人が2040年度には最大で210.1万人まで増加すると予測し、介護職員需要数も2024年度の212.6万人が2040年度には272.0万人まで増加すると予測されている。
このような事業環境下で同社は、(1) 売上拡大に向けた市場戦略、(2) 収益力安定のための商品戦略、(3) 利益率改善のための生産戦略、の3つの戦略によって中期的な成長を推進する計画だ。
(1) 売上拡大に向けた市場戦略
市場戦略として「コア市場の深耕」「周辺市場のシェア拡大」「海外市場の開拓」を掲げている。「コア市場の深耕」では、「MACKINTOSH PHILOSOPHY」ブランドによるハイエンド市場の活性化、高付加価値商品でのモデルチェンジ更新を図る。「周辺市場のシェア拡大」では、コンペルパック・患者ウェアによるシェアアップ拡大を図る。「海外市場の開拓」では、台湾と韓国に支店を開設し、洗濯アウトソーシングの普及とEC直販を図る。これらの戦略を実行することで、2028年8月期の市場別売上構成比をコア市場68%(2022年8月期は74%、2025年8月期は71%、以下同順)、周辺市場29%(25%、28%)、海外市場3%(1%、1%)とする計画である。
特に周辺市場では、コンペルパックや患者ウェアのシェアアップを図り、売上高5,700百万円、売上高構成比率29.2%を目指す。
(2) 収益力安定のための商品戦略
ハイエンド商品及び高付加価値商品の拡販を進めると同時に、付加価値商品及び量販品の底上げを図り、収益力の安定化を進める。これにより2028年8月期の商品別売上構成比をハイエンド商品9%(2022年8月期は7%、2025年8月期は8%、以下同順)、高付加価値商品63%(58%、62%)、付加価値商品26%(31%、26%)、量販品2%(4%、4%)とする計画だ。
(3) 利益率改善のための生産戦略
生産を海外シフト化することで為替リスクを抑えつつ海外生産比率を高め、利益率の改善を図る。さらに、海外工場を活用した低価格戦略商品の開発も進める。国内外については、QR・多品種小ロット生産への対応力を強化することで、高い利益率を維持する方針だ。これらの戦略を実行することで、2028年8月期の生産別構成比を海外生産64%(2022年8月期は52%、2025年8月期は56%、以下同順)、国内生産36%(47%、43%)、仕入商品0%(1%、1%)とする計画である。海外生産では、素材の現地調達を進めコア市場の低価格戦略商品を推進することで、海外生産高7,100百万円、海外生産の仕入比率64.0%を目指す。
■株主還元策
2026年8月期は年間70.0円配当へ増配、追加の自己株取得も発表
同社の2025年8月期末の自己資本比率は92.5%と高く、財務状況は安定している。同社の業態から考えると利益が急速に悪化する可能性は低く、安定した収益が続くと予想される。このため社外への配分(株主還元)が少ないと毎年留保された利益が自己資本に積み上がり、自己資本当期純利益率(ROE)の低下、すなわち資本効率の低下を招く。しかしながら同社では、利益成長に見合う増配に加えて、資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を目的とする、自己株式の取得を含めた総合的な株主還元を積極的に行っており、これによって比較的高いROE(2025年8月期6.1%)を維持している。
同社は単体ベースでの配当性向50%以上を公約していることから、2017年8月期から2024年8月期まで年間60.0円の配当を実施した。終了した2025年8月期も当初は年間60.0円の配当を予定していたが、2025年が同社創業110周年であったことから、記念配当を含めて年間配当を100.0円に増配した。進行中の2026年8月期については、当初は通常の年間60.0円配当を発表していたが、財務状況を鑑みて年間70.0円(予想配当性向72.5%)へ増配することを発表した。
さらに同社は、自己株式の取得にも前向きである。既に当中間期までに528千株(999百万円)の自己株式取得を行ったが、加えて下半期(2026年6月~10月)も上限600千株(上限10億円)の自己株取得を行うことを発表済みだ。2025年11月28日付で5,000,000株の自己株式消却を行った結果、2026年8月期第3四半期末の自己株式は766,526株(1,321百万円)となった。強固な財務体質に加え、このような積極的な株主還元の姿勢は大いに評価に値するだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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