デジタルプラス:月間流通35億円が視野に、2028年流通総額1,000億円へ加速
最大の注目点は、第2四半期時点の流通総額が63.15億円(前年同四半期比2.1倍、前四半期比30%増)へ拡大し、24四半期連続成長を達成した。年間換算では約250億円ベースへ到達しており、通期目標として掲げる流通総額250億円を大きく上回る可能性を示しており、営業利益10億円の基盤になりうる月間流通35億円の達成も見込んでいる。
同社は現在、フィンテック事業への完全フォーカスを進めている。オンライン家庭教師事業「ピース」およびデジタルマーケティング事業を非継続事業へ分類予定であり、今後3Qまたは通期決算において営業利益が約1億円改善する見込みとしている。
現在、同社は短期的な利益よりも「流通総額拡大」と「信用・信頼の獲得」を最優先方針として掲げている。そのため、3Q以降は一時的な流通粗利率低下を許容しながら、大型案件の安定運用や人材・システムへの先行投資を積極化する。
2026年9月期は、AI・人材・プロダクトへの投資として約1.5億円規模を見込む。流通総額1,000億円に耐えうるセキュリティ・運用基盤の構築に加え、AIを活用した運用効率化、カスタマーサクセス体制強化などを進めている。
同社は、主に3万円以下のtoC支払いを対象に、企業の送金・支払い業務を「より安く」「より簡単に」実現するフィンテック企業である。事業は大きく「デジタルギフト」と「資金移動業サービス(デジタルウォレット)」の2つで構成される。デジタルギフトは、会員登録不要・ログイン不要で受け取れる送金サービスであり、株主優待、ポイント交換、キャッシュバック、キャンペーン謝礼、公的給付金など幅広い用途に利用されている。一方、資金移動業サービスは、eKYCによる本人確認を伴うサービスであり、報酬支払い、中古買取金支払い、振込代行、個人間送金など対価性を伴う支払い領域を対象としている。
同社は「デジタルギフト企業」と認識されることも多いが、本質的には“あらゆる受取手段をつなぐ金融アグリゲーター”を目指している。現金、銀行口座、各種Pay、ポイント、暗号資産、ステーブルコインなど、多様な受取先を横断的に接続することで、デジタルに取り残される人を生み出さない社会基盤の構築を掲げる。
足元では、資金移動業サービスの拡大が成長ドライバーとなっている。2025年に第二種資金移動業を取得し、デジタルウォレットを正式リリース。従来のマーケティング用途中心のデジタルギフト領域に加え、業務委託報酬やギグワーカー向け支払い、中古品買取といった領域への展開を加速している。
現在特に注力する領域は、「株主優待」「ポイ活」「給付金(自治体)」「報酬支払い(人材)」「リファンド(返金)」の5領域である。
「株主優待領域」では、導入企業数が120社を突破した。従来のQUOカード型優待に対し、発行コスト削減や利便性の高さ、未使用分返金スキームなどが評価され、導入企業が拡大している。今後は時価総額500億円規模のプライム企業への営業も本格化させ、2028年には導入500社・国内No.1を目指す。また、直近では同社が特許出願中である“シェア型株主優待”の導入事例も増加しており、株主優待の新たなるスタンダードになりうるポテンシャルを持つ。
「ポイ活領域」では、累計2,400万DL規模の“トリマ”を含む大手ポイ活サービスへの導入を推進。2026年9月期には、ポイ活領域単体で流通総額100億円突破を見込んでいる。
「給付金領域」では、広範な対象者向け物価高対策給付金に採用されるなど、自治体DXの文脈でも存在感を高めている。大量送金・大量配布への対応力に加え、会員登録不要で受け取れる点が評価されている。
「報酬支払い(人材)領域」では、ギグワーカーやフリーランス、副業人材向けに、低価格・高頻度送金を提供する。従来の銀行振込では、大量送金に伴う手数料や運用工数が課題となっていたが、同社は資金移動業スキームを活用することで、企業側のコスト削減と受取側の利便性向上を同時に実現する。
また、JALやEC返品などを含む返金市場への展開も進めており、「リファンド(返金)/キャッシュバック領域」として新たに打ち出している。お詫び金や返金対応のDX化ニーズは今後さらに拡大するとみられている。
同社が現在中間目標として掲げるのが「月間流通35億円」である。これは年間流通総額420億円ベースに相当し、会社側は2026年9月以前での達成可能性も示唆している。
さらに中長期では、2028年9月期に「流通総額1,000億円」「営業利益率50%」を掲げる。現在は流通粗利率を一時的に低下させながらでも流通総額拡大を優先しているが、規模拡大後は高利益率モデルへの移行を見込む。
また、人的資本経営にも注力している。2028年には「正社員100名体制」「1人あたり年間流通総額10億円」を目標に掲げ、平均年収1,000万円を視野に入れる。AIによる業務効率化・外注化を進めながら、生産性の高い組織モデル構築を進めている。
直近では、便遅延・欠航等に伴う精算/お詫び金対応DXに向けたJALへの導入や、累計2,400万DLの「トリマ」をはじめとする大手ポイ活サービスへの導入拡大、広範な対象者向け物価高対策給付金への採用など、流通総額拡大に向けた大型案件の実績積み上げが進んでいる。
また、株主優待・報酬支払い(人材)・リファンド(返金)/キャッシュバックなど複数領域での展開を加速させる中、“あらゆる受取手段をつなぐ金融アグリゲーター”としてのポジション確立も進みつつある。
月間流通35億円および2028年流通総額1,000億円に向け、先行投資を積極化する中、今後の流通拡大ペースと収益化の進展に注目したい。
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