JBCC:年率10~30%超のリターンを期待、生成AI×伴走型サービスでビジネスモデルの転換と最高益更新が継続
JBCCホールディングス<9889>は、事業構造変革の成果が業績に力強く現れ始めている。ストックビジネス比率の向上とともに、利益率も向上し、5期連続の最高益と増配を達成している(今期予想が達成されれば、いずれも6期連続)。中期経営計画の期間において、営業利益のCAGRは20%を上回る見通しで、今期予想の配当利回りは3.63%だ。新たな中期経営計画が待たれるところであるが、当面、年率10~30%超のリターン(インカムゲイン+キャピタルゲイン)が期待される。
同社は1964年創業、日本初の漢字変換可能なオフィスコンピューターなど、オリジナル製品の開発を源流とし、1980年代には日本アイ・ビー・エム株式会社との提携によりビジネス基盤を強化。現在はサービス主体の事業構造へ転換。全国48拠点と海外4拠点を展開、約2,000名の専門人材で顧客DXを支援している。独立系として機動力を保ち、クラウド・セキュリティ・システム開発を三位一体で提供する体制が特色である。
同社事業においては、情報ソリューション事業が売上高の97%を占める。その中で、システム開発(SI)26%、サービス59%、システム販売15%が構成比となっている。システム開発事業は、独自のアジャイル型開発手法「JBアジャイル」とローコード開発を組み合わせた「超高速開発」で企業の基幹システムを構築している。500件を超える導入実績があり、ここ数年で案件規模が拡大している。開発を受注すると長期にわたって役務を提供するため、収益も複数年の間発生する。
サービス事業については、近年成長著しいクラウド、セキュリティが注力分野である。同社は独立系の強みを活かして、顧客の事業・ニーズを診断した上で、最適なクラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaSなど)を提供している。また、セキュリティにおいては、成長性の高いクラウド分野において、脅威の未然検知やリスク診断ができる専門性の高いエンジニアを自前で育成しており、高付加価値なサービスを提供している。さらに、システム開発、クラウド、セキュリティにおいて顧客におけるクロスセルが可能であるため、包括的に顧客ニーズに応えることができる。
クラウド・セキュリティで特筆すべきは、双方ともストック型のビジネスであり、積み上がるほどに収益性が向上する好循環が続いている点であろう。同社の売上高におけるストックビジネス割合は、2025年3月期には46%であったが、2026年3月期は51%まで上昇しており、中期経営計画では2027年3月期に60%を目標としている。営業利益率においても2026年3月期は9.6%であったが、2027年3月期には11%まで上昇する計画である。
事業環境においては、IT人材不足、クラウドシフト、サイバー攻撃高度化を背景に企業からの需要拡大は継続しており、同社にとっては追い風。注力するクラウド・セキュリティにおいて、ストック収益を積み上げることで、更なる収益力の強化が見込めるだろう。
2026年3月期の通期実績について、売上高は前期比8.8%増の76,019百万円、営業利益は同18.7%増の7,308百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.3%増の5,353百万円となったが、サービス領域拡大とクラウド移行需要が牽引した。通期では当初の中期経営計画売上高目標である72,000百万円を1年前倒しで達成。4期連続の増収増益、5期連続の過去最高益の更新、過去最高の月額受注高累計を更新など、好調な推移となった。足元の底堅い需要、ストックビジネスの安定収益を踏まえると、中期経営計画の最終年度である2027年3月期は、売上高で前期比4.6%増の79,500百万円、営業利益で同19.7%増の8,745百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.9%増の6,045百万円が予想されている。目標達成の蓋然性は高く、さらなる上振れ余地があるとも考えられる。
同社は、中期経営計画として「CHALLENGE 2026」を発表しているが、足元業績を踏まえて2026年1月に上方修正している。最終年度である2027年3月期の目標は、売上高79,500百万円以上、営業利益率11%以上、ROE20%以上となっている。また、ストック売上比率60%、クラウド年平均成長率36%、セキュリティ年平均成長率30%と注力分野において高い成長目標を設定している。また、クラウド移行の先にあるデータ&AIを活用した付加価値の創出などを新たな成長分野としている。
株主還元については、配当性向45%以上を基本方針とし、2026年3月期の年間配当は1株当たり42円(配当性向48.6%)となった。なお、同社は2025年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っているが、分割後ベースで前期比1株当たり8.5円の増配となった。また、市場買付による30億円規模の自己株式取得についても、2026年3月16日までに予定通り完了している。2027年3月期は、1株当たり50円へのさらなる増配(6期連続)を予定している。
同社は、IT人材不足や企業のDXニーズを追い風にストックビジネスへの転換に成功し、右肩上がりの成長を遂げてきた。足元株価は年初来高値から一服した水準にあるものの、PERは12.4倍と過熱感なく、さらなる収益性の向上が実現すれば、更なるアップサイドも見込める。ストックビジネスとしての安定性や増配銘柄としての魅力も株価を下支えすると考える。
参考までになるが、IT専門調査会社のIDC定義のITサービスが含まれる事業セグメントの売上が概ね500億~1,500億円であり、かつIDCが推定する国内ITサービス市場の2022年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)7.3%を上回る中堅ベンダーの中から、同社は高成長中堅ベンダー5社の1社として紹介されている。ITサービスベンダーとしての総合力を持ちながら、競合動向などの外部環境分析から、提供サービスや顧客アプローチの差異化を図り、そこに経営資源を積極投入することで高成長を実現しているという。
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