LINK&M Research Memo(8):2026年12月期は、成長事業を軸に過去最高業績を更新
● 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期通期の連結業績は、売上収益で前期比12.5%増の46,700百万円、売上総利益で同13.7%増の25,700百万円、営業利益で同50.1%増の6,310百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同114.0%増の3,470百万円と増収増益を見込んでいる。全体としては、注力事業であるコンサル・クラウド事業に経営資源を集中し、過去最高の売上収益、営業利益の達成を目指す計画である。
組織開発Divisionは、中核事業のコンサル・クラウド事業の成長により、売上収益は前期比15.2%増の19,400百万円、売上総利益は同16.5%増の13,700百万円と2ケタの増収を見込む。個人開発Divisionは、キャリアスクール事業のさらなる構造改革を推進し、売上収益は同0.3%増の6,100百万円、売上総利益は同0.8%増の2,900百万円と、2025年12月期の数字を上回る計画だ。マッチングDivisionは、ALT配置事業のさらなるシェア拡大と、オープンワークを中心とした人材紹介事業の事業拡大により、売上収益は同14.5%増の22,100百万円、売上総利益は同13.1%増の9,700百万円と2ケタの増収を見込んでいる。
■中期的な成長戦略
モチベーションクラウドを軸に、2030年12月期の営業利益150億円達成を目指す
1. 2030年計画
同社は、中期的な成長戦略として、2028年12月期に営業利益100億円、2030年12月期に営業利益150億円を目指す「2030年計画」を策定した。コンサル・クラウド事業の主力プロダクトである「モチベーションクラウド」を中心に収益のストック化を推進、2025年12月期に75億円であったARRを2028年12月期に150億円と2倍に、2030年12月期には240億円と約3倍に伸ばすことを計画している。
2. モチベーションクラウドの成長戦略
(1) 新規サービスの拡大
モチベーションクラウドのARR伸長の戦略の柱の1つとして、同社は新たな領域での「変革」サービスを提供することによる「新規サービスの拡大」を挙げている。これまでと同様に、自社開発に加え、業務提携やM&Aなどを積極的に活用し、モチベーションクラウドの「変革」サービスのカバレッジを拡大していく方針である。2026年12月期は「採用支援」と「マネジメント支援」の領域の「変革」サービスをリリースする計画となっており、2026年4月に採用支援サービスである「モチベーションクラウド エントリーマネジメント」をリリースする予定となっている。このサービスは、同社のデータベースとコンサルティングノウハウを活用するとともに、資本業務提携先のZENKIGENの採用DXサービス「harutaka(ハルタカ)」と連携することが特徴である。新規サービスの拡大によるARRの伸長のみならず、モチベーションクラウドの顧客基盤拡大への寄与も大きいと弊社では見ている。
(2) 既存サービスの拡大(国内顧客基盤の拡大)
モチベーションクラウドのARR伸長戦略のもう1つの柱は、「既存サービスの拡大」である。現在新規導入の中心となっている国内大手企業に加え、国内中堅・中小企業へ対象を拡大する方針である。同社にとってほぼ未開拓のマーケットといえる国内中小企業群については、事業提携を通じた展開を推進していく計画だ。中小企業に顧客基盤を持つFCE(2024年に資本業務提携)に加え、2025年には(株)山陰合同銀行、(株)阿波銀行、(株)ふくおかフィナンシャルグループ、2026年には(株)北陸銀行との提携を開始しており、これら提携先の顧客合計となる5万社以上の中小企業にアプローチが可能となった。同社は、中小企業向けに価格を抑えた「モチベーションクラウド ベーシック」もリリース済みである。現在は、提携先と新規顧客へのアプローチ戦略を慎重に練っている段階だが、数年後を目途に財務的な成果を出すことを目指している。
(3) 海外における事業成長
同社は、2022年にアジアにネットワークを持つパートナーと業務提携を行い、長期的な事業成長を視野に海外市場へ「モチベーションクラウド」を展開する準備も進めてきた。2025年には、シンガポール、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシアに子会社を設立、本格的な事業拡大への取り組みを始めており、2025年12月末の海外における「モチベーションクラウド」の月会費売上は、前年比約450%と大幅な成長を記録した。長期的に同社は、すでに進出しているアジア5か国に加え、今後は他地域への進出も検討していく方針である。
3. その他事業の成長戦略
IR支援事業においては、2025年4月にジャパンストラテジックファイナンス(株)、8月にイー・アソシエイツ(株)を完全子会社化し同社グループの一員に迎え入れた。動画配信や決算説明会などストック性の高いサービスを提供している両社は、それぞれ中小型国内上場企業群、大手国内上場企業群において高いシェアを誇っており、顧客基盤の共有によるクロスセルや事業シナジー創出による収益基盤のストック化を進めていく方針だ。
キャリアスクール事業においては、引き続きオンライン講座を中心に利益率の向上と収益基盤の安定化を進めるとともに、業務提携などを通じた事業拡大を模索していく。学習塾事業においては、「モチアカ式」のさらなる活用に加えて、オンライン授業の通塾可能地域外への提供による事業拡大を企図している。
ALT配置事業においては、ALTの質の向上、オンライン化やICT活用といった様々なニーズに対応し、シェアの拡大を目指す。人材紹介事業においては、「OpenWorkリクルーティング」の価値向上に注力する。具体的には、ユーザー数のさらなる増加、蓄積データ解析による求職者と求人企業のマッチング最適化の精度向上などを通じ、求職者と求人企業の満足度の向上に努める方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
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